校長あいさつ

 本校は、明治40年に稗貫郡蚕業講習所として創立され、116年の輝かしい歴史と伝統を有する農業高校です。
また、宮澤賢治先生が大正10年12月に本校の前身である稗貫農学校の教師となり、4年4か月にわたり教鞭を執られたことは、広く全国に知られています。

 本校は、賢治先生が実践した「愛と慈しみの農業教育」を基本とし、豊かな人間性を育み、生命を大切にする「人間教育」、時代の進展に対応し社会に貢献する創造性豊かな実践力を育てる「専門教育」、そして、個性を尊重する進路目標を設定し、自己実現に向けた「在り方・生き方教育」を教育方針として掲げ、日々の教育実践を重ねてきました。
 この賢治先生の教えは、普遍的な真理として、今も連綿と受け継がれ、本校の大きな誇りとなっています。
さらに、賢治先生が作詞した「花巻農学校精神歌」は、今も大切に歌い継がれ、私達にとって人生の道標として、心の大きな縁になっています。
 校地内にある「賢治先生の家」は、賢治先生が退職してから、自炊をしながら独居生活を始めた家です。そこで「羅須地人協会」を設立し、農耕指導や創作活動をされました。「賢治先生の家」は、これまで二度の移設を経て現在の場所に復元されました。連日、全国からの多くの賢治ファンが訪れ、先生の思いや教えを肌で感じる聖地となっています。築100年を超えているものの、当時の息吹を彷彿とさせるその佇まいは、本校の象徴的な存在であり、生徒の心の支えとなっています。そして、同窓の方々の誇りであり、精神的な拠り所となっています。

 本校は、生物科学科、環境科学科、食農科学科の3つの学科を設置しています。
 生物科学科では、作物、草花、果樹、野菜の栽培、動物の飼育、バイオテクノロジー等を中心に、安全な生物生産について学び、自然の中で豊かな能力と個性を磨きます。
 環境科学科では、土木や造園技術から環境保全と保護について学び、人と自然、環境が調和する豊かな生活を創造し、確かな技術を育みます。
 食農科学科では、健康で安全な食料・食品を追求しながら、食文化について学び、良質な食品製造や食品開発を通して食の心を育みます。

 日々、生徒達は勉学は勿論のこと、部活動、農業クラブ活動、地域貢献活動などにも積極的に取り組んでおり、毎年、様々な活動で全国レベルの輝かしい成果を上げています。
 これからも、本校は実践的・体験的な学びを通して、新時代を担い地域産業に貢献する生徒の育成に取り組んで参ります。今後とも、本校の教育活動に対する御理解と御協力、そして、これまでと変わらぬご支援をお願い申し上げます。

                        校長 小船 光浩

令和5年度岩手県立花巻農業高等学校経営計画(こちらNEW!!
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