スーパーグローバルハイスクール

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11月14日(火)
 今日も曇り空ですが、幸い雨は降っていません。寒さは厳しくないので、今日くらいの天気がフィールドワークには最高…と考えましょう。
 この日も地下鉄でハーバードへ移動しますが、数回目となったRed Lineへの乗り換えは慣れたものです。行き先は、公共政策大学院であるケネディースクール(略称HKS、https://www.hks.harvard.edu/ )です。潘基文国連事務総長をはじめ、世界で活躍する著名人を多数輩出しています。指導してくださるのは、行政学・外交学・政策学を専門とするOGで、CNNのプロデューサーや政府外交顧問を歴任したCathryn Cluever氏(https://ces.fas.harvard.edu/people/cathryn-cluever )です。ここで、KT&Rチームが2回目の発表を行いました。定量的エビデンスがしっかりしている点を褒めていただきました。いただいたコメントやQ&Aは次の通りです。
 【リーダーシップについて】
 ・発表では財政への信用度がエビデンスとして挙げられていたが、日米の構造的差異による結果かもしれないので、これひとつだけでは弱い。他にも例を挙げると説得力が増す。
 ・アメリカでは、報道機関が自分たちの報道による影響を追跡調査する行動が不足している。
 ・日本はアメリカから学び、多くのものをコピーしてきたが、これからは対等にならないといけない。(発表がアメリカとの比較だったことから来たコメントか)
 ・何をするにしても将来像をイメージすることが大切。意識しなければ、我々はBox inの考え方(限定的な環境下Boxでしか通用しない思考法か)をしてしまいがちである。
 【ジェンダーについて】
 ・そこから先にどうやって広めていくのか。身近な人物から活動を広げていくとよい。市への提案・組織の設立・タウンミーティングの実施等は良いアイデアだ。
 【Q&A】
 Q(HR):日本の女性が活躍するにはどうすればよいか。
 A:チャイルドケアや幼稚園保育園を充実させ、女性が働きやすい環境を整備すること。昨年度の発表にあったが、女性が産休から復帰するときにフルタイムの仕事に戻れるようにすること。これらは将来への投資と考えるべきであり、そういう意識を多くの人が持った方がよい。そのためには、社会やコミュニティが重要であるが、それらはflexibleでなければならない(硬直的であってはならない?)。
 Q(KT):ジェンダーイクォリティについて、市への提案・組織の設立・タウンミーティングの実施を考えているが、アドバイスをいただきたい。
 A:(前述のとおり)良い考えだ。身近な人物から活動を広げていくとよい。
 Q(KN):日本では保育園が不足している。アメリカでの状況はいかがか。
 A:働く女性のための環境整備について、アメリカでは企業が、ドイツでは政府が責任を持っている。日本はドイツの手法を参考に政府や行政主導で行っているがうまくいっていないようだ。
 もっと質問したいこと、詳しく聴きたいことはあったのですが、氏は12時からの会議に出席しなければなりません。時間が限られているので氏もたくさんの言葉を連ねますが、元アナウンサーということもあり明朗な発音です。ここまでの研修を経験した今日の生徒たちであれば聴き取ることができます。最後に、日本の社会にどのような問題がありどのようになってほしいのか、よく考えて行動をおこすべきこと、自分の国から活動を始めてグローバルに広めていくこと、自分の将来に影響する問題に関心を持ち複数の視点から考えること、子どもへの投資意識を持つこと、などのメッセージが投げかけられました。SGの課題研究は「自分たちはこのように行動する」という具体的かつ主体的な提案まで到達することを目標としています。ぜひ、帰国後に行動に移して欲しいものです。
   昨日と同じハーバードのカフェテリアで昼食を済ませ、午後は大学構内のフィールドワークです。図書館などを見学しながら構内を散策し、地下鉄駅近くのCOOP(クープと読みます)で解散し約2時間の自由行動です。本やステーショナリーはもちろん、衣類の品揃えも良く、デパートさながらです。お土産を選ぶ生徒、カフェで学生気分を味わう生徒、思い思いに過ごしました。
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