スーパーグローバルハイスクール

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11月15日(水)
 今日は3日ぶりの快晴ですが、風が穏やかで土日のような凛とする寒気はありません。日本語ならば「小春日和」ですね。
 午前中はMIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボ(https://www.media.mit.edu/ )での学術研修です。約束の10時すこし前に到着すると、見覚えのある方がエントランスでノートパソコンに向かっています。蝦名先生の資料でお顔を拝見していたIra Winder氏(https://www.media.mit.edu/people/jiw/projects/ )その人ではありませんか。氏は建築学・都市設計学を専門としており、日本で学んだ経験もある知日家で、現在はCityScope開発リーダーを務めています(https://www.youtube.com/user/jamesirawinder )。構内を見学しながら3階の教室に上っていきます。途中、興味深い機械や作品がガラス張りの部屋の中にありますが、撮影は厳しく禁止されています。
 講義に先立ち生徒たちに、大学へ行くのか、大学卒業後の生き方を考えているかという問いが投げかけられました。そのうえで、どのように生きるのか、大学院まで進むかどうか、そこまで考えることがとても重要であると仰っていました。講義では、現在構築中のSociotechnical System(STS)や、Human-in-the-Loop Modelの概念や、Lego上を利用した都市設計のシミュレートが紹介されました。Legoによって立体化されたイメージにシミュレートの結果をプロジェクションマッピングで投影していく手法の視覚的明快さは感動的ですらありました。人の流れ(交通)から、日照時間や風当たりなどが色により視覚化されます。条件付けは簡単ではありませんが、アルゴリズムがしっかりしていれば様々なことを数値化できるそうです。(近い内容の講義がネット上にありました。詳細はこちらをご覧ください→https://www.youtube.com/watch?v=zVmc5_KK5JU
 質疑応答は活発で、これまで質問しなかった生徒からも質問が出てくるほどでした。生徒からの質問の多くは、アルゴリズムで数値化する際の基準についてでした。ひとつひとつについて回答をいただきましたが、氏が「モデルはモデルしかない。運用するには実際に住む人と対話しなければならない。」とたびたび仰っていたのが印象的でした。
 そのあとは、S&Nチームによるプレゼンテーションです。前回の発表への指摘を受け、盛岡という都市の特徴、具体的な提案(Future Plan)が加わりました。提案は粗削りでしたが、この短期間でよく仕上げたと思います。
 【コメント】
 ・この試みを南部鉄器に導入した際の経済効果を算出すれば、立派なエビデンスになる。
 ・南部鉄器を製造する企業とコラボレーションする必要がある。
 ・いろいろなところでこの発表を行い、身近なところから仲間を増やす。
 【S談】:経済効果の話は納得した。あれば発表の明確さが格段に増す。
 【N談】:日本に帰ってからが大事だ。ある程度のプランが出来上がれば、それを持ってインタビューに行ける。そうすれば、具体的なイメージを起点から対話がスタートするので、より有益な情報を引き出せそうだ。南部鉄器だけで考えると狭く深い探究なので、鉄の生産全般のような広く浅い研究も大切である。
 研修のあとは、カフェテリアで昼食を摂り、構内見学をします。ハーバードとは雰囲気が異なり、比較的新しい建物が多い印象です。最後はCOOPでお買い物。生徒たちは、お世話になっている人や残りの所持金を指折りながら考えています。旅も終盤だと思うと少し寂しくなってしまいますね。
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