スーパーグローバルハイスクール

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11月13日(月)その3
 続いて、HR&Iチームの3回目の発表です。実に堂々とした発表で、内容・態度ともにお褒めの言葉をいただきました。ふたりのテーマに関してはボストン大学に先行研究の論文が多くあるそうです。「ボストン大学に挑戦してはいかが?」というようなうれしい言葉もかけていただきました。氏によると、ふたりが提案しているコミュニティカレッジは、アメリカでは生活が苦しい人を救うためだけのものではなく、成人の学び直しを目的にしています。海外からコミュニティカレッジを選んで留学してくる学生がいたり、中には大学に進学していく学生もいたりするそうです。ふたりがイメージする、望ましいコミュニティを形成する学校であればこちらの方が近いだろうと、1993年に始まったCharter Schoolの例が紹介されました。また、銀行家や地域住民、行政といったStakeholderとの話し合いが重要であるとの指摘がありました。大きなプロジェクトになればなるほど、資金面など様々なことで軋轢が生じる可能性があります。そのため、事前にしっかりと話し合い、皆が納得の上で実践していくことでプロジェクトを進めんでいかなければなりません。こちらも世界中で未解決のテーマです。解決策は示されませんでしたが、彼らが何かを実践していくにあたりヒントとなるような事例を紹介していただきました。
 【HR談】:原稿を見ずに発表することができたが、途中でどこだかわからなくなってしまった。もうちょっと上に行くには、スピードや抑揚の変化が必要だ。
 【I談】:これで満足してはいけないことは分かっているが、今日できることはやり切った。現時点でのベストを出せた。
 最後にGreiman氏の講義です。氏が手掛けたボストン再開発事業をはじめ、世界中のMega Projectが紹介されました。その場限りで終わってしまうような事業ではなく、将来に続く持続可能性を持たせることが重要であること、Stakeholderを説得することがプロジェクトの成功に不可欠であることが示されました。モザンビークでは、大統領が信用されていないために民間で資金を集めることにしたという衝撃的な事例も紹介されました。その折々に、生徒たちの発表に関連する助言が挿入されていきます。講義の最後には、氏が学生さんたちに投げかける「何のためにLaw Schoolに通っているの?」という問いが紹介されました。高校生、もちろん一高生にも通じる根源的な問いです。果たして学校での学びの目的とは、良い職業に就くためなのでしょうか…、自身を向上させるためなのでしょうか…。時間がかかっても構いません。生徒たちには、その先の答えを自分自身で導き出して欲しいと強く願います。
 講義に熱が入り予定の16時半になってしまいました。「まだお話ししてもよろしいかしら?」との提案に、「もちろんです」と答えます。予定時間よりも早く始まり予定時間よりも30分延長してボストン大学での研修は終わりました。貴重な時間を予定以上に割いていただき、ありがたい限りです。外はすっかり陽が落ち雨模様ですが、あとは帰るだけなので問題ありません。PMCの最寄り駅に着くころには雨も落ち着き、寮まで歩くことにしました。「降るならばここ」というタイミングで降ってくれました。これも日ごろの行いでしょうか。
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