スーパーグローバルハイスクール

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11月9日(木)
 今朝のボストンは霜が降りる寒さでした。この寒さでもリスはしっかりと朝ごはんを食べています。
 午前中は語学研修の4日目です。この日の活動で興味深かったのは、語彙と文法の時間に行われたスマートホンを使う活動です。日本で言うならば、昨今話題に上がるようになった「ICT教育」でしょう。使用するのはQuizlet(https://quizlet.com/ja )というツールで、今日の授業はチームに分かれて学生が問題に答えていくという形式です。規定の問題数をクリアしたチームが優勝というルールで、前方のスクリーンにはそれぞれのチームの得点がレースのようにリアルタイムで表示されます。スマホの画面に問題が表示されると、チームメイトと一緒にコミュニケーションを取りながら正解を選択していくので、学びを振り返りつつ定着を図るには良い活動です。奇しくも引率者自身が同じような活用を考えていたところでしたので、一教員として興味深く拝見させていただきました。
 午後はボストン美術館(http://www.mfa.org/ )を見学します。これを楽しみにしていた生徒も多かったのではないでしょうか。ボストン美術館は、まもなく創立200年を迎える歴史を持ち、所蔵する作品は50万点を超えます。じゅうぶん広大な敷地があるように見えるのですが、一度に展示できるのは所蔵品の一部だけで、頻繁に展示品を入れ替えているそうです。なお特別展は、辻惟雄さんと村上隆さんの合作展です。
 今日のこの2時間弱しか時間がないので、解散するや否や生徒たちは目的の場所に散っていきます。日本のコレクションが充実しており、特に浮世絵については保存状態の良いものが多数展示されています。日本でこれだけのものを見られる場所はなかなかないでしょう。クロード・モネの作品群も目玉ではありますが、なんと残念ながらモネの作品たちは日本への貸し出し中。切ないすれ違いです…。日本ならば博物館にあるような前近代の遺物もたくさんあります。アッシュールバニパルやサルゴン2世の壁画、エジプトのミイラやオルメカの仮面などは世界史の資料集などで見たことがあるものです。楽器ばかりを集めた展示コーナーもあり、西洋楽器中心でしたが現行の形に落ち着くまでの変遷が分かる興味深い展示でした。2時間弱という時間では生徒たちは物足りない様子でしたが、後ろ髪引かれつつ退館します。またいつか来られると良いですね。
 ちなみに、カメラを向けると(フラッシュなしの撮影は許可されています)、ほとんどの作品は顔として認識されるようです。絵画の人物図はもちろんOK。オルメカの仮面も「顔」…驚くべきことにミイラや村上隆の花も「顔」として認識されました。
 美術館のあとは、土曜日のボストンシンフォニー下見を兼ねてCopleyまで地下鉄で4駅分を歩きながら見学していきます。にぎやかな繁華街で、おもしろそうな店やおいしそうな飲食店が並んでいます。18時で散策は終了。土曜日の夕食を楽しみに、この日は寮に帰って夕食を摂ることにしました。
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