スーパーグローバルハイスクール

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11月7日(火)その2
 昼食をカフェテリアで摂ったあとは、学校のシャトルバスと地下鉄を乗り継いでハーバード医学キャンパスへ向かい、1時間ほど散策しました。町の一画に、世界最高峰の医療関係の研究機関や専門病院が林立しています。角ばったビル群に歴史的な建築が入り混じっており、どことなく日本でも見られそうな街並みです。医学志望の生徒は興奮を抑えきれず、あちらこちらで写真を撮っています。将来、このような環境で世界のために働けるようになれば最高ですね!
 15時からは、ハーバード公衆衛生学スクール(Harvard T.H.Chan School of Pubric Health)でME&MYチームによるプレゼンテーションです。ふたりは、"Changing meals can improve QOLs in Iwate"と題し、他県に比べ岩手県に多い脳卒中の原因である高血圧と肥満について研究を進めています。高血圧の原因として、塩分過多とカリウム不足を挙げ、食生活による予防を提案しようと考えています。指導してくださるMaryam Farvid氏(https://www.hsph.harvard.edu/maryam-farvid/ )は、栄養面からの予防医学や食物関連の疾患を専門とする研究者です。Farvid氏からは、アメリカ国立衛生研究所(NIH)の研究に基づく食餌療法DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)が紹介され、生徒たちは質疑応答を通して、具体的な食材の選択や調理方法などについて学びを深めました。ふたりが注目していたカリウムに関する話題ではなく、それ以前の食物繊維・カロリー・塩分や脂質といった栄養摂取の話に集中しましたが、ふたり以外の生徒からも多くの質問が飛び出し豊かな時間となりました。
 【ME談】:事前の準備をしっかりしていたので緊張しなかった。練習も含めて今までで一番の出来だった。間や接続詞も伝わりやすいようしっかりと読めたが、原稿から目を上げることができなかった。
 【MY談】:初めて使うレーザーポインターに戸惑ってしまったので、次は練習で使っている指示棒を準備したい。発表のスタートでしっかりと相手の目を見られるようにしたい。間は意識できた。
 【具体的な情報】:辛味や酸味を活用すれば塩分を控えられること、果物はジュースにするとグルコースが吸収されやすくなってしまうため実のまま食べたほうがよいこと、昆布茶は良いことなど。
 今日はFarvid氏から、DASHに基づき、食材や調理法まで吟味した献立を作るという課題が提案されました。ふたりが作った献立は、氏に添削してもらえることにもなりました。帰国後の活動に一つの指針が示されました。これが実現すれば、ふたりの研究は主体的かつ具体的な提案まで辿り着くことができます。
 寮への帰途、Brigham and Women's Hospital(http://www.brighamandwomens.org/ )の売店に立ち寄りました。なんと臓器のぬいぐるみが話題になっているそうで、目玉のぬいぐるみを購入している生徒もいました。病院の売店にもかかわらずビールを勧めるグッズがあったりと、日本とは全く異なる品揃えに生徒たちは驚いた様子でした。
 時差ぼけから回復した生徒もいる一方、時差ぼけのピークを迎えている生徒もいました。数人は夕方になると疲労の色が濃く、中には歩きながら睡魔に襲われる生徒も…。生活のリズムが崩れた中で濃密な日を過ごしているので無理もありません。もう一晩眠れば全員回復することでしょう。
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