平成29年度 Z星研究調査隊


平成29年度岩手県高等学校文化連盟自然科学専門部高校生セミナーサポート事業
「第11回Z星研究調査隊~第14回サイエンスメイト~《

主催 岩手県高等学校文化連盟自然科学専門部
国立天文台水沢VLBI観測所
NPO法人イーハトーブ宇宙実践センター
日程 平成29年 8月 4日(金)~6日(日)
参加者 6高校から12吊:岩手県立福岡高等学校(2吊)・岩手県立金ケ崎高等学校(1吊)・
岩手県立水沢高等学校(2吊)・岩手県立大船渡高等学校(3吊)・秋田県立湯沢高等学校(1吊)・
宮城県古川黎明高校(2吊)
実行体制 引率教諭:水沢高校教諭 高橋 亮(岩手県高等学校文化連盟自然科学専門部、代表)
チューター:蜂須賀 一也、永山 匠
まとめ役:亀谷 收、広報担当:舟山 弘志
食事、観望会対応:イーハトーブ宇宙実践センター(大江 昌嗣、中東 重雄、佐藤 一晶、酒井 栄)
概要 平成29年8月に今年も東北各地からとても熱心な高校生が集まってくれて、盛り上がりました。
選考の結果、秋田県、岩手県、宮城県から高校生12吊が参加して、国立天文台水沢VLBI観測所
の直径20-m電波望遠鏡を用いて観測・データ解析を実際に体験しました。新しいメーザー天体の
発見に向けて、 VERA計画で観測する メーザー 天体の探査を行いました。
事前学習:
8月4日~6日の本番を前に、事前学習用資料を生徒に送付し、次の課題(1)~(3)から2項目以上
調べてそれぞれの項目についてレポートにまとめてもらいました。(1)VERA計画について (2)電波
望遠鏡とは? (3)何で宇宙から電波が来るか?
提出されたレポートは概して良くまとめられていました。その効果もあって、生徒の観測に対する
認識度と意欲は例年にも増して高かったようです。
観測と解析の状況:
参加した高校生は2つのグループに分かれて、高校生自ら探査天体を選定し、20-m電波望遠鏡
を用いて観測を行っています。探査計画を立て観測準備から実行・データ解析を行い、結果に
ついて検討し、成果をまとめて発表会を行ないました。
観測の合間に行われた観望会もイーハトーブ宇宙実践センターの皆さんが計画していましたが、
残念ながら天候の具合が悪くて星は見えませんでした。その代わり、星の写真の上映会や望遠
鏡の使い方の説明などがあり、望遠鏡で電波望遠鏡の一部に貼った星の写真などを見て楽しみ
ました。
今回は、偶然にも大学生対象の国立天文台インターンシップで水沢に滞在していた物理学専攻
学生2 吊の内の1 吊がZ 星に参加したOB で、ご自分の研究の合間にZ 星の活動に顔を出してく
れ、ご自分のZ 星の経験とこれからの研究への思いを語ってくれました。参加した高校生にとって
もいい刺激になったのではないかと思います。
観測結果:
A班(チュータ:蜂須賀)遠方の星形成領域の水メーザー探査:
選択基準を明確化して、天体候補15天体を観測しました。14天体はノイズレベル2Jyで未検出。
1天体(G037.419+01.513)は強度6.9Jyで23年ぶりに検出しました。
B班(チュータ:永山) 水メーザーを探せ~ミラ型変光星班~:
合計14時間実施しました。変光周期、星の等級などの情報から24天体のミラ型変光星を選定し
観測しました。信号雑音比5を超える優位な信号を検出することはできませんでした。
それでも、1 天体(RT-Her)は、数年ぶりの検出でした。
これらの内容は、いわて銀河フェスタ2019においても水沢高校からの参加者2吊により報告が
されました。
VERA水沢局20m電波望遠鏡の前で
星の写真の上映会の様子 観測データ解析風景(A班)
観測データ解析風景(B班) 発表が終わってOBも一緒に皆で記念撮影
資料
[ポスター (pdfファイル)]

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