スーパーグローバルハイスクール

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SG課題研究U

10/ 3(火) グローバル都市盛岡の創造へ向けたワークショップ
 元MIT教授ポール・ルケッツ氏、盛岡市市長公室次長古舘和好氏をお招きしてSG講演会が行われました。ルケッツ氏は都市設計の専門家であり、現在はルケッツ設計社の代表を務められています。
 講演に先立ち、太田教諭から都市工学・都市計画・都市設計などの学問についての説明がなされ、講演の目標が示されました。その後、講演と質疑に移って行きます。
(ア) 講演1
 古舘氏により、「21世紀の盛岡のまちづくりにおける現状と課題について」と題して、盛岡市の現況とくに人口減少やそれに伴い出来する問題についての基調講演がなされました。
(イ) 講演2
 講演2は本校の代表による発表です。都市づくりとの関連が強い選りすぐりの3班が発表を行いました。発表した班は次の通りです。
  「21世紀型地方都市の探究」コースより107班
   岩手を持続可能な街へ ― 鶏糞を使ったバイオマス発電 ―
  「グローバルスタンダード教育モデルの探究」コースより409班
   地域活動・教育を盛り上げるための体制作り
  「グローバルな知の拠点の創造へ向けた探究」コースより503班
   知の拠点での経済効果の生成
 世界でも一流の研究者を前に発表するチャンスです。どの班も張り切って準備を進めてきた成果を出し切りました。
 それぞれの班の発表後にはルケッツ氏によるコメント・助言がありました。氏のコメントは、いずれも核心をつきながらも議論を深めるものであり、発表した生徒たちはもちろん、会場の生徒たちも刺激を受けた様子でした。生徒の感想には、「批判的思考とはこういうものだと分かった」というものが複数見られました。
(ウ) 講演3
 ルケッツ氏により、都市設計に関する講演がなされました。スライドは英語でしたが簡便な単語が用いられており、図表も多く、理解しやすい講演でした。プレゼンテーションの技術に感銘を受けた生徒も多数いたようです。
 内容は氏の専門である都市設計に関わるものであり、多くの都市の事例が紹介されました。氏が都市設計で最重視するのは、その都市に息づく"Identity"であり、"Identity"は"time"と"site"により形成されると述べられていました。氏によると、都市設計とは既存のものを破壊して更新するものではなく、既存のものの良さを残しながら都市を改変していくものなのです。最後には、ボストンにおける温暖化による海面上昇を利用した潮汐発電や、盛岡における城の再建といった具体的な提案もなされました。

 時間はオーバーしていましたが、活発な質疑がなされました。生徒たちは、ルケッツ氏の講演から強く刺激を受けた様子です。中には、「津波で土地が壊滅してしまった沿岸部で"Identity"を保つにはどうすればよいか。」という極めて本質的で深い質問も飛び出しました。
 自分たちよりも仕上がりの早い仲間たちの発表、仲間たちの研究が専門家のコメントによって深まる様子、そして世界一流の研究者によるプレゼンテーション。SG課題研究のみならず、研究という営みへの意欲が高まる素晴らしい2時間となりました。
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