てんかんについて


1 てんかんとは

てんかんは、けがや病気がもとで、脳のどこかの部分の組織がこわされたために起こります。そのため、脳から神経へ信号を送るときに、たまたまうまくいかなくなることがあり発作という形で現れてきます。

てんかんはおかあさんのおなかの中にいるときに病気や脳の発育不全で脳に小さな傷ができたり、難産や小さいときに髄膜炎や脳炎、脳症など熱の続く病気にかかって脳に傷ができた場合などにおこります。しかし、半数は原因がわかりません。
てんかんのある子は100人に1人から0.7人位いるといわれていますのでけっして珍しい病気ではありません。てんかんの種類によっては、非常に軽い症状だったり、薬などで治療が十分可能な場合もあります。
てんかんの発作の形は非常に様々です。脳内のどこの部分の組織が故障しているかによって種類が異なります。
故障している部分が一部分だけだと、本人に意識があって、一時的に手足がけいれんしたり、まぶたやほおをピクピクさせる、変なにおいや音・痛みを感じるといった発作(単純部分発作)や本人の意識がはっきりしないまま、ふらふら歩いたりいろいろな行動をする(複雑部分発作)といったものがあります。
故障している部分が脳の奥にある(原発全般発作)と、意識だけを失ったり(欠伸発作)、全身や手足を一瞬ピクッとさせる(ミオクロニー発作)がみられます。
故障しているところが脳全体にある場合だと、頭をおじぎするようにコクンとする発作(点頭発作)やガクッとくずれるような発作(レンノックス症候群)があり、ほうっておくとだんだん重くなって発達に遅れがでてきます。
故障している部分が一部分の場合でも、大発作(意識がなく全身のけいれん)がおこるてんかんのかたちもあります。

てんかんの治療で大事なことは早期に発見し、きちんとした治療をうけ、薬を必ず飲むことです。そうすることで、てんかんの発作をなくすことができた人がたくさんいます。

2 てんかんの子への教育

てんかんの発作の誘因として、疲れすぎや睡眠不足、緊張のしすぎ、暗い気持ち、身体の変化(成長)などが考えられます。
周囲の状況によっては生命の危険や脳へのダメージにつながる場合があるので、発作をおさえるような生活が必要です。
発作を起こさないようにするためには、規則正しい生活をし、いつもく明るく活発な気持ちでいることが大切です。
そのためには、生活を制限するのではなく、何よりも明るい気持ちで生活できる環境とさりげなく見守っていることが必要なのです。
●指導のポイント●
発作には前ぶれがない場合も多いのですが、よく観察していると、朝から何となく元気がなく口数が少ないなど、何らかの変化があって、本人も気づいている場合があります。そういうときは無理をさせないように、周囲の理解と協力が必要です。
熱中しているときに発作はほとんどありません。終わってホッとしているときの方がでやすいです。スポーツやゲームなどをしたあとは座らせるなど発作が起きてもケガをしないよう配慮しましょう。
薬を飲む習慣をつけさせましょう。てんかんの薬の量はきちんと計算されているので勝手にやめたり、減らしたりすると発作をおさえることができません。小さな子どもや遅れのある子は大人が管理してください。
●発作が起きたら●
1.まわりから危険なものをとりのぞきます。一番危険なのは発作が『始まった瞬間』です。
  危険なものを素早くのぞきましょう。
2.少しでも呼吸が楽になるように上のボタンをはずしたり、ベルトをゆるめます。
3.大発作の時は、窒息したり舌をかまないように、下あごに手をあてて押し上げ下あごを上向きに
  します。
  また、たくさんつばがでたり、おう吐したときは気管に吸い込まれないように顔を横に向けます。
4.発作のあと眠ってしまったら、ゆっくり休ませます。
  *発作が始まったら、時間を計ってください。
   けいれんのある発作が続く(けいれん重積状態)ようなら、脳へ大きなダメージを与える
   可能性が高く、緊急医療の対象です。
   予め保護者や主治医でどのような時にどのような対処をすれば良いのかを打ち合わせを
   していくことが重要です。

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平成30年4月 支援センター部更新
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