令和4年度盛岡視覚支援学校いじめ防止基本方針
岩手県立盛岡視覚支援学校

                              

Ⅰ いじめ防止等のための対策に関する基本的な考え方
1 岩手県の重点取組
・児童生徒の「居場所づくり」と「絆づくり」の推進
・早期発見と解消に向けた適切な対処
・教職員の資質能力向上を図る校内研修の充実
※新型コロナウイルス感染症の対策や治療にあたる医療従事者や社会機能の維持にあたる方とその家族等に対する偏見や差別の防止。

2 いじめの問題に対する基本的な考え方
私たちは「いじめは『いつでも』『どこでも』『誰にでも』起こりうる」という危機管理意識をもち、本校に通う幼児児童生徒が自らの困難を克服し、多様な価値観を受け入れて共に成長することを願いながら、自立に必要な知識・技能・態度及び習慣を身につけ、楽しく豊かな学校生活を送ることができるよう学校いじめ防止基本方針を策定する。
(1)人権意識を高め、互いの良さを尊重できる心を育てます。
(2)学校内にいじめを許さない環境を作ります。
(3)対話を大切にして、温かい人間関係を築ける環境を作ります。
(4)いじめに対しての「早期発見」「適切な指導」「早期解決」できる体制を作ります。
(5)いじめ問題について保護者・地域・関係機関との連携を深めます。

3 いじめの定義
本校においての「いじめ」とは、幼児児童生徒間で行われる心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む)であって、当該行為の対象となった幼児児童生徒等が心身の苦痛を感じているもののことをいう。 

4 いじめの基本認識
(1)いじめは人権侵害であり、いかなる理由があっても許される行為ではない。
(2)いじめは人間関係のトラブルを機序としているため、いじめられた側及びいじめた側の両方の児童生徒並びにそれを取り巻く集団等に対し、適切な指導と支援が必要である。
(3)いじめは教師の児童生徒観や指導の在り方が問われる問題でもある。
(4)いじめは学校・家庭・地域社会などすべての関係者がそれぞれの役割を果たし、一体となって取り組むべき問題である。
(5)いじめはその行為の態様により暴行・恐喝・強要等の刑罰法規に抵触することがある。

5 いじめの解消
〇いじめが止んでいる状態が3ヶ月以上継続していること。
〇被害者が心身の苦痛を感じていないこと。

6 学校現場に求められること
〇事実認定の根拠となり得る正確な記録の取り方
・客観化した事実を正確に記録するスキルと習慣を身につける
・開示請求(情報公開)に耐え得る記録の作成
〇いじめに関する情報の報告を行わない場合は、いじめ防止対策推進法23条1項に違反する

Ⅱ いじめの未然防止のための取組
1 教職員による指導について
(1)学校は幼児児童生徒一人一人の心の居場所となるよう配慮し、安心・安全な学校生活を保障するとともに、児童生徒が互いのことを認め合い心のつながりを感じる人間関係づくりに取り組むこと。
(2)自己の役割への気づきや自己肯定感を育むために、幼児児童生徒一人一人が活躍し他から認められる場としての教育活動を推進する。
(3)すべての教師がわかりやすい授業を心がけ、基礎基本の定着を図るとともに学習に対する達成感・成就感をもたせる。
(4)幼児児童生徒の豊かな情操と道徳心を培い、心の通う対人関係能力を育て全ての教育活動を通じて、道徳教育及び体験活動等の充実を図る。
(5)保護者や地域住民及びその他の関係者との連携を図り、いじめ防止に資する幼児児童生徒が自主的に行う児童会・生徒会活動に対する支援を行う。

2 幼児児童生徒に培う力とその取組内容
(1)「命の尊厳」や「共に生きる」ことを理解し、他者に対して温かい態度で接することができる思いやりの心を育む。
(2)学級活動や生徒会(児童会)活動などの場を活用して、幼児児童生徒自身がいじめの問題の解決に向けてどのように関わったらよいかを考え、主体的に取り組む力を育む。
(3)様々な諸問題について話し合いで解決することを通じて、望ましい人間関係や社会参画の態度を育て個の違いや多様性を認め合う態度の育成を図る。
(4)「心とからだの健康観察」を活用した心のサポート授業等を通して、幼児児童生徒一人一人のセルフケアやストレスマネジメント能力を高める。

3 いじめの防止等の対策のための組織
(1)「いじめ対策委員会」構成員
委員長 学校長
副委員長 副校長
委員
学部主事、生徒指導主事(中学部、高等部)、養護教諭、寮務主任、スクールカウンセラー

(2)取組内容
ア いじめ防止基本方針の策定、年間指導計画の作成
イ いじめにかかわる研修会の企画立案
ウ 未然防止や早期発見の取り組み
エ アンケート及び教育相談の実施と結果報告(各学部・学年の状況報告など)
オ いじめ防止にかかわる幼児児童生徒の主体的な活動の推進
 
4 学校評価
いじめの把握、措置を適切に行うため、学校評価にて本校の取り組みを評価する。

5 幼児児童生徒の主体的な取組
良好な人間関係形成をねらいとした児童会・生徒会行事の取り組み

6 家庭・地域との連携
(1)いじめ防止基本方針をホームページ等に掲載して広報活動に努める。
(2)PTAの各種会議等で、いじめの実態や指導方針について説明を行う。

7 教職員研修
いじめ防止等の対策に関する校内研修を計画的に実施し教職員の資質向上を図る。
(1)いじめの問題にかかわる校内研修会・・・毎年4月
(2)いじめ問題のチェックポイントによる自己診断・・・年2回(6月、11月)

Ⅲ いじめの早期発見のための取組
1 いじめの早期発見のために
(1)いじめや人間関係のトラブルで悩む幼児児童生徒が相談しやすい環境を整え、日頃から教職員と児童生徒が信頼関係を築くように心がけること。
(2)日常の行動観察について、いじめ行為の発見だけでなく幼児児童生徒の表情や行動の変化にも配慮すること。
(3)いじめは大人の見えないところで行われるため、授業中はもとより、部活動や休み時間、放課後においても幼児児童生徒の様子に目を配るよう努めること。
(4)遊びやふざけあいのように見えるいじめ、部活動の練習のふりをして行われるいじめなど、見極めが難しい事柄についても、教職員間で情報交換をしながら発見に努めること。
(5)いじめの兆候に気づいたときは、教職員が速やかに予防的介入を行うこと。
(6)地域や関係機関と定期的な情報交換を行い、日常的な連携を深めること。

2 いじめアンケート及び教育相談の実施
いじめを早期に発見するため、幼児児童生徒や保護者からの情報収集を定期的に行う。
(1)幼児児童生徒を対象としたアンケート調査   年2回(6月、11月)
(2)学級面談による聞き取り調査  年3回(4月、7月、12月)

3 相談窓口の紹介
いじめられている幼児児童生徒が、教職員や保護者に相談することは非常に勇気がいる行為である。いじめを大人に打ちあけることによって、場合によっては「いじめがエスカレート」する可能性があることを十分に認識し、その対応について細心の注意を払うこととする。
いじめの兆候を発見した時は、関係する教職員で迅速に情報を共有し適切な対応を行う。
 
Ⅳ いじめに対する措置(早期対応・組織的対応) ※原則として複数で対応する
(1)素早い事実確認・報告・相談:組織対応
(2)被害者を守る姿勢・加害者への指導:被害者は学級担任等が対応、加害者は生徒指導部が対応
(3)発見・通報を受けての組織的な対応:いじめ対策委員会で対応
(4)被害・加害児童生徒の保護者に対する対応:各学部主事を中心に対応
(5)集団へのはたらきかけ:生徒指導主事
(6)警察との連携:副校長が対応
(7)ネットいじめへの対応:副校長、生徒指導部、図書情報部で対応

Ⅴ 重大事態への対処
1 重大事態の対処で求められていること
重大事態の対処では、事実関係を明確にすること「調査を行い、報告する」ことが求められる。

2 重大事態とは
(1)いじめにより児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。
・生命、財産の危機は教員だけで指導しようとはせずに警察と連携し適切な処置を行う。
(2)いじめによる児童等が相当の期間、学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。
・欠席30日を待つことなく、欠席の理由がいじめの疑いが生じた時点で、迅速に調査に着手。並行して、安心して教育を受けられる場所の確保。
(3)幼児児童生徒や保護者からいじめられて重大事態に至ったという申し出があった時
・ 申し出の時点で学校が「いじめの結果ではない」あるいは「重大事態とはいえない」と考えたとしても、調査を行い報告する。
原則:いずれの場合もすぐに調査して、事実関係を明確にし、報告する。

3 重大事態への対処
(1)対応(調査)を学校又は学校設置者(県・市町村教育委員会)のどちらが主体となって行うかを学校設置者が判断する。
(2)学校の設置者又は学校は、重大事態に対処し、及び同種の事態の発生の防止に資するため、速やかに、適切な方法により事実関係を明確にするための調査を行う。
(3)学校の設置者又はその設置する学校は、上の調査を行ったときは、当該調査に係るいじめを受けた幼児児童生徒及びその保護者に対し必要な情報を適切に提供する。
(4)学校は、重大事態の調査結果を地方公共団体の長(※知事、市町村長)に報告する。地方公共団体の長は、必要と認める際には再調査を行うことができる。