令和4年度 学校評価アンケート結果について
学校評価委委員会
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1.はじめに
2.学校職員自己評価について(回答者数51名。昨年度は56名)
3.寄宿舎指導員自己評価について(回答者数17名。昨年度は12名)
4.事務・現業自己評価(回答者数15名。昨年度は8名)
5.保護者アンケート(回答者数26名。昨年度は25名)
6.幼児・児童アンケート
7.生徒アンケート
8.おわりに

1.はじめに
* アンケート回収率(幼児児童生徒100%、保護者100%、学校職員・事務現業職員100%、寄宿舎指導員85% ※事務現業職員、寄宿舎指導員については今年度対象を広げ、QRコードによる回答を依頼した。当直専門員に数名未回答者あり。
* 質問の主語を「私は〜」に統一するなど、文言修正を図ったが、質問内容は昨年度と同様であるため、前年度比較により考察することとした。
* 評価の平均が3.0(4.0が最高)を下回る項目が、昨年度は事務現業職員1項目、寄宿舎指導員2項目あったが、今年度は無かった。全体的に肯定的な結果となった。
* 前年度と比較して、0.2ポイント以上の増減がある場合は、「やじるし」を付けて表している。しかし、母数の少なさもあり、ポイントの増減だけではなく、個々の意見を丁寧に見て判断する必要があると思われる。早急に取り組むことができる項目もあり、年度内に改善できるものについては、着手していきたいと考える。
* 以下、対象者別に結果を示す。要検討事項を「●」要改善事項を「〇」で表した。

2.学校職員自己評価について(回答者数51名。昨年度は56名)
・ 前年度に比較し、ポイントを下げた項目が少ない。(昨年度4項目。今年度1項目)反対にポイントを上げた項目は増加している。(昨年度1項目。今年度6項目)
・ 0.2ポイント以上、下がった項目は1項目である。【21 私は、本校は眼科医・内科医等と連携し、医療的ケアの支援に努めていると思う】は0.2減(3.5→3.3)であった。「あまりそう思わない」との回答が5名あった。
・ 0.2ポイント以上、上昇した項目は6項目で【bP 私は本校の教育目標、学校経営方針を理解し、達成のために努力している】【bR 私は幼児児童生徒一人一人の個性や特性等に細やかに対応して指導・支援に努めている】【bV 私は仲間を思いやることや命の大切さを教え心の教育に取り組んでいる】【16 私は、本校では学校と寄宿舎が連携し、基本的生活習慣の確立と社会自立能力や態度の育成に努めていると思う】【19 私は幼児児童生徒の進路実現を目指して家庭と連携し、必要に応じて地域、関係機関・団体と情報共有や連携を図っている】【20 私は、本校は視覚障がい教育のセンター的機能として、積極的な支援、相談・啓発活動に努めていると思う】がいずれも0.2ポイント増加した。
・ 【25 私はコンプライアンスの徹底に努めている】は、3.8で昨年同様、職員の意識の高さが表れていた。

〈要検討・改善事項〉
●教員の専門性の継承、組織での人材育成について
・ 昨年度から続く現職教育に関する課題である。自由記述にもあるように、職員の専門性をいかに維持、継承していくかの具体策が必要である。計画的な研究授業等の実施、外部講師等による授業参観・助言、可能な範囲でのTTによる授業、実効性のあるOJT、Off-JTの推進、外部支援に全職員があたることによる専門性の必要感の意識化、児童生徒、職員の減少に伴う分掌組織の見直しなどが考えられる。
〇専攻科の授業時間(時数ではなく)の保障について
・授業以外の活動(学校行事、部・クラブ活動、校外学習など)の在り方の検討。学校全体のカリキュラムマネジメントが必要。
〇環境整備
・会議室に遮光カーテンの要望→今年度整備済み
〇その他
・回覧文書の精査→副校長の判断
・公欠の扱いの確認→内規の確認

3.寄宿舎指導員自己評価について(回答者数17名。昨年度は12名)
・ 0.2ポイント以上に限らず、昨年度に比べ減少した項目は無い。0.2ポイント以上増加した項目が17項目と質問項目の85%を占めている。昨年度に比べ、より肯定的な評価となっている。
・ 評価が上昇した項目の中でも顕著だったのが【No.9 私は、舎生の障がいの状態に配慮した指導を心掛けている】(3.2→3.8)であった。個別のQOLの作成など、寄宿舎職員が日頃から生徒一人一人に応じた支援を心がけている成果ではないかと考えられる。

〈要検討・改善事項〉
●専門性の向上
・【18 私は、校内外の研修や研究活動に参加し、専門的力量の向上に努めている】に関して、否定的な意見が多かった。→学校職員アンケート結果と同様に、現職教育における工夫が必要である。
〇環境整備について
・近隣の点字ブロックの修繕についての意見が出されている。→県政要望等、行政への働きかけを継続していく。

4.事務・現業自己評価(回答者数15名。昨年度は8名)
・昨年度に比べ、減少した項目は【bU 私は、事務室は安全安心な施設設備や給食の提供、スクールバス運行等を行っていると思う】で、0.2ポイント減少している。しかし、回答の内訳として、すべてが肯定的な評価(4番か3番を選択)であるため、課題と捉える必要はないと思われる。
・昨年度に比べ上昇した項目は5項目あり、全体としての平均値も上がり、昨年度より肯定的な結果となっている。

〈要検討・改善事項〉
●学校技術員の常勤職員を2名にしてほしい、との要望がある。→次年度の定数の問題等も踏まえて検討する。

5.保護者アンケート(回答者数26名。昨年度は25名)
・ 昨年度の保護者アンケートでは、前年度比で0.2ポイント以上、上昇した項目が無かった。今年度は、前年度に比べ、10項目において上昇している。また、0.2ポイント以上減少した項目はない。肯定的評価の占める割合が多くなっている。
・ 最も上昇した項目が【bR 学校行事の内容や回数は適切である】(3.0→3.5)であり、コロナ禍においても内容の工夫や規模縮小等の対応で、行事を中止としなかったことが評価されたのではないかと考えられる。
・昨年度の結果の中で、「評価1」(全くそう思わない)との回答があった項目が4項目あった。(【No.4学校は幼児児童生徒の悩みや相談に対応している】【No.12学校は幼児児童生徒の学習の様子や健康状態等をきめ細かく連絡している】【No.13学校は家庭と連携し、基本的生活習慣確立のための指導を充実させている】【No.14学校は保護者からの相談に誠実に対応している】)今年度は「評価1」は無いが、同じ項目について「評価2」(あまりそう思わない)の回答が1〜2名みられる。昨年度同様、保護者に対する基本的な対応を今一度見直し、相談等に対する適切な対応を積み重ねていくことで、信頼関係の醸成を図るなど、継続的な取り組みが必要と考えられる。
 
〈要検討・改善事項〉
●保護者への情報発信の在り方。
動画の公開を求める声が複数あった。タイムリーな情報発信、情報共有、ホームページ・一斉メール等の有効活用が考えられる。
○保護者との信頼関係の構築
・ 保護者への言葉遣い、伝え方(対面、電話、連絡帳など)の工夫、丁寧な説明(誤解を生まない話し方や、ポジィティブになるような声掛けの工夫、複数での対応・確認など)など、より誠実な対応を心掛ける。
○冷暖房について
・ 学校、寄宿舎共に意見が出されている。光熱費の削減、感染対策の換気等、様々な視点を踏まえつつ、適切な稼働を心掛ける。
 
6.幼児・児童アンケート
〔幼小学部〕(回答者数7名。昨年度は5名)
・ 前年度に比べ0.2ポイント以上、減少している項目は1項目【5 先生はあなたが困ったとき、相談に乗ってくれますか】(3.8→3.6)であった。「あまりそう思わない」との回答が1名あったことによる。
・ 前年度に比べ0.2ポイント以上、増加している項目が8項目あり、中でも【4 他の学校との交流は楽しいですか】については0.6ポイント上昇し全員が「そう思う」と回答している。コロナ禍においても、感染防止対策を施しながら実施したこと、オンラインでの交流を実施したことなどが良かったのではないかと考えられる。

〈要検討・改善事項〉
○児童理解と支援の最適化
・「相談に乗ってくれない」と感じている背景や要因に何があるのか(相談しにくい状況があるのか、どのように相談したら良いのかがわからず困っているのか、など)を探り、その子に合った、寄り添った支援を心掛けていくことが考えられる。

7.生徒アンケート
〔中学部〕(回答者数3名。昨年度は2名)
・1名の生徒が計11項目について否定的な回答をしている。中学部は在籍数3名と少人数であるため、ほとんどの項目が前年度に比較し、0.2ポイント以上、下がっており、上昇した項目は無かった。
・学校、寄宿舎に対する不満や不信感が感じられるような記述があった。
〔高等部〕(回答者数16名。昨年度は16名)
・前年度に比べて0.2ポイント以上、上昇した項目が7項目(【1 授業の内容はわかりやすいですか】【6 先生はあなたが日常生活で困ったとき、親身に相談にのってくれますか】【7 先生はあなたが努力したことや頑張ったことを認めてくれますか】【10 学校では自分の進路や将来の生活について考える学習をしていますか】【11 学校には学習や日常生活に必要な施設・設備が整っていますか】【15 寄宿舎生活は充実していますか】【16 寄宿舎の行事では、自分の力を発揮できますか】)あった。
・0.2ポイント以上減少した項目は無かったが、【4学校では、命の大切さについて考える学習をしていますか】【5 学校では食事や運動など健康について考える学習をしていますか】【11 学校には学習や日常生活に必要な施設・設備が整っていますか】の3項目については、「あまりそう思わない」と3名が回答している。
・学校内で危険と感じる場所については、階段、電気のついていない廊下、たわむ廊下、非常階段、臨床室の駐車場からの出入り口、管理棟と渡り廊下のT字路が、あげられている。

〈要検討・改善事項〉
●生徒理解と適切な支援の必要性
多様な生徒それぞれの言動や心情、障がいの状況等についての理解を深める必要がある。日頃から職員間で共通理解を図り、丁寧な対応を心掛ける。場合によっては、支援会議の実施、関係機関との連携等により、より良い支援を探っていく。また、声掛けのあり方、見えづらさへ配慮、不平等感等についての意見もあり、当事者の視点に立った支援や合理的配慮の適正化を図っていく必要がある。
○校内の危険箇所の点検・改善
階段にカラーシールを貼るなどの改善を行ったことで、昨年度挙げられていた点は解消されつつある。今後も必要な個所について事務と相談の上、安心・安全な教育環境づくりを進める。
○環境整備
パソコン室のカーテン、3階男子手洗い場のセンサー、網戸、情報室等、具体的な要望について確認し、順次整備を進め、学習環境を整えていく。

8.おわりに
今回の結果を受け、対象ごとに挙げられた改善・検討事項について、新年度を待たずに早急に改善できることから着手していくこと、また、年度末反省で改善策について協議し、新年度準備を進めていくこととなる。
一方、今回の学校評価は全体的に昨年度以上に肯定的な結果となっており、何が奏功したのか、維持、継続していくべきことは何かなど、「良かったこと」についても検証し、意識していきたいと考える。


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