コミュニティ・スクール通信 第10号
令和8年3月18日(水)発行
真の自立を目指して
校長 近藤健一
開花を待つ花々のつぼみが膨らみはじめた3月10日(火)、中学部1名、高等部普通科1名、高等部専攻科保健理療科3名の児童生徒の卒業式が行われました。
今年度も出席いただいた来賓の皆様の声を聞いてもらいたいことから、来賓お一人お一人からお祝いのことばをお話しいただきました。皆様からいただいた心温まるメッセージは、児童生徒の耳に、心に確かに届けられたと思っています。
保護者からの謝辞では、卒業生の成長の過程と保護者の思いが語られ、涙を抑えることができませんでした。
卒業生・修了生は、これまでの充実した学校生活を物語るように晴れやかな表情で式に臨み、一人一人の成長が感じられた心温まる卒業式でした。保護者の皆様、地域の皆様、関係機関の皆様に支えていただき卒業の日を迎えることができました。心より感謝申し上げます。
高等部の卒業生・修了生は自立の時を迎えますが、「自立」について、ある評論の文章から考えてみたいと思います。高等部普通科の「現代の国語」の教科書に掲載されている「真の自立とは」という評論には、自立について以下のように書かれています。
「自立とは、自分のことはできる限り自分でするが、助けが必要になったときに電話をかける相手がいるということです。つまり、いざという時に助け合う相互依存のネットワークをいつでも起動できること。その準備が日頃からできている状態が自立なのです。私は、このような自立こそが、政治や地域社会の運営にとって本来重要であり、また、各人の生きていく意味を支えていくことができると思っています。引用『真の自立とは』鷲田清一」
この評論を読んだ時、本校に伝わる二つの訓えが思い浮かびました。一つは、本校創設者柴内魁三先生の言葉「自分のことは自分でやれ 天を仰いで歩け」。もう一つは、本校を訪れたヘレン・ケラーの言葉「私たちは決心さえつけば、やれぬことはない。頑張ってやらなければいけません。しかし、一人ではいけない。互いに協力して手を握り合って幸せになりなさい。」私たちが大事にしてきたこの二つの訓えが、まさに、真の自立を表す言葉だったのだと納得しました。このような自立こそが、“地域社会”の一員として、各々が“生きていく意味を支えていくことができる”のだと。
この一年間、21名の児童生徒たちは、それぞれがつぼみという名の可能性を育て、たくさんの花を咲かせました。そして、今また、新しいつぼみが膨らんでいます。次のステージで、自分なりの花を咲かせることができるよう願っています。多くの方々からの日差しを受けて。真の自立を目指して。