紫波総合高等学校 扉ページ > 学校長より
 


























平成26年度卒業式 校長式辞 3/3 

 
 凍りついた雲の切れ間から柔らかい日差しがのぞき、ここ希望ヶ丘に吹く風にも心なしか暖かさを感じる弥生三月となりました。

本日ここに、紫波町長 熊谷 泉様をはじめ、多くのご来賓のご臨席を仰ぎ、平成二十六年度岩手県立紫波総合高等学校卒業証書授与式を挙行できますことは、教職員一同、誠に喜びに堪えません。これもひとえに、皆さまからの温かいご指導の賜物と厚く御礼申し上げます。

また、保護者の皆さまにおかれましては、心よりお祝い申し上げます。これまで、雨の日も風の日も、その成長を見守り、手塩にかけて育ててこられたお子様の晴れ姿を目の当たりにし、感慨もひとしおのことと存じます。

そして、ただいま卒業証書を受け取られた一八五名の卒業生諸君、卒業おめでとう。皆さんは、三年間の精進のかいあって本校の教育課程を修了し、本日めでたく巣立ちの日を迎えました。

皆さんの本校での三年間はどんな日々であったでしょうか。

東日本大震災から一年を経過し、岩手県内も少しずつ復興の兆しが見え始めた頃の入学でありました。本校でもようやく落ち着きをとりもどし、復興のために自分たちに何ができるのかを考え、計画的に被災地に行ってのボランティア活動なども実施できるようになった年であります。

以来、「知を求め こころ豊かに たくましく」の校訓の下、三年間の勉学に部活動に学校行事に、そしてボランティア活動に積極的に励んできた青春の日々であったと思います。

今年の卒業生諸君は、実に立派でした。新しい趣向を取り入れ、楽しい汗を流したスポーツ大会、例年にもまして地域の方々が沢山来てくれた文化祭、みんなで力を合わせ創りあげた充実の課題研究発表会等々、皆さんの弾けるような笑顔はそれだけで本校の宝でありました。

部活動に関して も、伝統の自転車競技部では、澤口馨太君のJOC(ジュニアオリンピックカップ)優勝をはじめ素晴らしい頑張りをみせてくれました。特にも今年の自転車競 技部の三年生は思わぬアクシデントに見舞われ、苦しみながらの戦いでした。しかし幾多の困難を強い精神力で克服し乗り越えて来られたことは、まさに本校生 の見本であります。

そのほか、十三に 及ぶ運動部全てにおいて、その持てる力を十二分に発揮してくれました。その中でも特筆すべきは、野球部の夏の県大会、シード校相手の延長十二回の熱戦であ ります。あの時の全校応援の感動は今でも忘れられません。野球部の気迫のこもったプレー、応援団とブラスバンドの見事なコラボレーションがあってこそ、あ の素晴らしい全校応援は実現したのでした。試合には惜しくも敗れはしたものの、あの応援以来、学校の雰囲気は一段と明るくなり、みんなが一層「笑顔の挨 拶」を交わし合える学校になりました。

また、吹奏楽部や 郷土芸能部をはじめとする十一の文化部もそれぞれの大会はもちろん地域のイベント等への参加・出品によって大変、本校の評価を高めてくれました。さらに地 域の行事等については、部活動に限らず、「人文自然」「福祉健康」「ライフデザイン」「情報経済」「エコロジーフード」の全ての系列、そして生徒会、多く の自主的ボランティアの皆さんの参加があり、大いに活躍してくれました。これについて、主催者や地域の方々から多大の感謝の言葉を頂いております。本校と しても大変名誉なことであり、素晴らしい伝統となりつつあります。

このことは、皆さ んが元々、純真で優しい心の持ち主であること、そして大震災を経験して、同じ東北岩手に生きる者として、同じ時代を生きる者として、困難に負けず「人への 思いやり」や「地域のつながり」など日本人が大切にしてきた精神を受け継いできたからこそ、行動に移すことができているのだと思います。

さらに今年の三年 生の素晴らしいところは、明るい挨拶ができるということであります。今年は、「挨拶」「立腰」「整容」「清掃」という四つの実践を目標に取り組んできまし た。そのなかでも「挨拶」については、三年生が、抜群に良かったのです。私が様々なことで悩んだり、落ち込んだりしているときも、皆さんの明るい挨拶で本 当に元気と勇気をもらいました。明るい挨拶は、それだけで人を励ますのです。本当に本当にありがとう。このことからも皆さんが純粋で優しい心の持ち主であ ることがわかります。是非、その本来の美しい心を忘れず、自信をもって生きていって下さい。

さて、今日のこの佳き日こそ、皆さんが「人生」という大空に向かって離陸する日です。言い換えれば「人生の旅路」をスタートさせる日と言ってもいい日であります。ここで、作者は不詳ですが『生涯の旅路』という詩を紹介したいと思います。「生涯の旅路」

私は私の一生の旅 路において/今日というこの道を再び通ることはない/二度と通ることはない/二度と通らぬ今日というこの道/どうしてうかうか通ってなろう/笑って通ろう  歌って過ごそう/二度と通らぬ今日というこの道/嘲笑されてそこで反省するのだよ/叱られてそこで賢くなるのだよ/叩かれてそこで強くなるのだよ/一輪 の花でさえ風雨をしのいでこそ/美しく咲いて薫るのだ/侮辱されても歯をくいしばって忍べ/苦しいだろう くやしいだろう/しかし君、この道は尊いといわ れた人たちが/必ず一度は通った道なんだ、という詩です。

私はこの詩を読んだ時、本校の校歌を思い出しました。もちろん三番です。

北辰冴ゆる城山に/忍従雪に伏するとも/松の緑の色変えぬ/(みさお)は高く(そら)を射る/ああ若人に栄えあれ という素晴らしい歌詞には「忍耐の大切さ」「理想や志の尊さ」が詠われていることは皆さんも知っての通りです。これからの人生の旅路において、この校歌の心を胸に強く生きていってほしいと思います。

そしてその人生が 幸せなものになるように、今日は三つの言葉を贈りたいと思います。一つ目は「ありがとう」という感謝の言葉です。人は幸せだから感謝するのではなく、感謝 の心を持つから幸せになるのです。二つ目は、「すみません」という言葉です。我々はお互いに多くの人のご恩を頂いて生きていますが、頂いた分のご恩返しは 到底できません、そういう意味での「すみません」という言葉です。そして三つ目は「はい」という素直な心の言葉です。人と人、また様々な出来事との出逢い は、天が決めます。その出逢いを「はい」と受け入れ自分の成長の糧にしていくか、天を恨んだり一つ一つに不満を持ったりしていくかでは、その人の人生は大 きく異なってきます。どうか、何事も前向きに受け入れる素直な心を忘れないでください。

「ありがとう」「すみません」「はい」この三つの言葉を大切に、二度とない人生を豊かにそして実りあるものにしていって下さい。

本当に楽しく素晴らしい人生はこれから始まるのです。

終わりに、本日ご臨席いただきました全ての皆さまに重ねて感謝いたしますとともに、卒業生諸君が豊かで幸多き人生を送れますよう、末永くご指導をたまわりますよう心からお願い申し上げ、式辞といたします。

平成27年3月3日

岩手県立紫波総合高等学校 校長 田中 耕之助


Copyright (C) SHIWA Comprehensive Senior High School.