紫波総合高等学校扉ページ>学校長より





H28年度卒業証書授与式 式辞(要旨)


 例年になく雪が少ないわりには厳しい寒さが続いた冬も終わりを告げ、ここ希望ヶ丘にも花の便りも耳にする季節となりました。春の日差しも柔らかく感じられるこの佳き日に、紫波町長 熊谷 泉(くまがい いずみ)様を始め多数のご来賓、保護者のご臨席を賜り、ここに平成二十八年度卒業証書授与式を挙行できますことは、この上ない喜びとするところであり、関係する皆様に心から感謝申し上げます。保護者の皆様、本日はお子様のご卒業、誠におめでとうございます。ここに至るまでには、様々な喜び、そして苦労があったことと存じます。胸に込み上げる思いもひとしおのことと、改めて敬意を表しお祝い申し上げます。

 ただいま総合学科179名の生徒に、本校教育課程のすべてを修了したことを認め、卒業証書を授与いたしました。 卒業生のみなさん、本当に卒業おめでとう。

 みなさんの今までの道のりは決して平坦なものではなかったものと思います。今から6年前、小学校>6年生の春、間もなく卒業式を迎え、中学校入学へと、期待を膨らませていた矢先、あの東日本大震災が起こり、期待は一転して、岩手県全体が大きな悲しみや不安に変わり、先が見えない日々を経験したことと思います。それから三年後、本校に、大きな夢と希望を持って入学し、多くの成果を挙げてくれました。

 体育大会では、各クラスが団結し、クラスTシャツで若い肉体を躍動させ、多いに盛り上げてくれました。

 紫鷲祭では日頃の学習の成果を存分に発揮し、田野畑村との交流で福耳かりんとう販売など昨年同様多くの来校者をお迎えすることができました。 復興支援交流事業では山田高校と大槌高校のバスケットボール部、バレーボール部、サッカー部との交流も深めることができました。

 2年次の修学旅行では、日本の伝統文化に触れる一方、仲間との友情を深めることができたと思います。

 またインターンシップでは、進路意識を高めるとともに、厳しい社会の現状を知る貴重な機会ともなりました。

 進路目標達成に向けた学習や資格取得においては、7時50分からの朝学習に取り組み、豪雨や強風、風雪にも負けずに通い続け、多いに力をつけてくれました。その成果は就職、進学ともに高い合格率に結びついているものと確信しています。

 先日、田園ホールで行われた課題研究発表会では、各自が課題を見つけ、とことん研究し、全校生徒を前に堂々と発表していただきました。 実習やボランティア活動では、消防演習でのラッパ隊や、オガールの花壇整備、第6次産業の実践となるかしわの里の運営や>18歳以上選挙権拡大に伴う主権者教育では紫波町高校生議会を見事に成功させてくれました。新山荘やもずの里との交流会、佐比内小学校でのお茶会、ふれあいフェスティバルでの吹奏楽演奏会、夏まつりでの盆踊り参加など地域の方々とふれあうことができ、多くの方に喜んでいただきました。参加した延べ人数は全校生徒数にせまる数となり、今やボランティア活動は本校の新たなる伝統となっております。

 部活動では、自転車競技部が高総体のトラック種目で多くの新記録をたたきだし、東北大会では男子がトラック種目優勝、女子が総合優勝と多いに活躍し、鳥取県でのインターハイでは、個人で種目入賞、記憶に新しい希望郷いわて国体では地元の熱烈な応援をいただき同じく個人2種目で入賞を果たし天皇杯準優勝に大きく貢献することができました。また多くの運動部、文化部が高総体、高総文祭をはじめ各種大会、コンクールで活躍し、本校の教育活動の大きな柱となってくれました。本当にありがとうございました。

 本校は来年度88年目を迎えます。県中央部の総合学科高校として、この地区の高校教育を精力的に推進して参りました。そのことは、これまで通り、これからも、地域から愛される信頼される学校をめざし、今まで通り邁進していきたいと考えております。紫波町並びに同窓会等の多くのご支援に対しまして改めて御礼申し上げます。今後とも相変らぬ応援をお願いいたします。

 さて、皆さんを取り巻く社会は順風満帆(じゅんぷう まんぱん)とは言い難い世の中になってきたように感じられます。世界の一部ではありますが、戦争が行われ、テロが横行し、多くの難民が地中海を渡っている姿など、悲しみに目を覆いたくなるような、人類の平和が脅(おびや)かされているようなニュースが多くなっているように思えます。

 我が国の平和についての歴史を考えると、ご存じのように、あの波乱の戦国時代に終止符を打ち、戦いの無い平和な時代を二百六十年余りも築いた江戸時代、徳川幕府があります。その初代将軍、徳川家康公没後四百年が一昨年にあたりました。家康公の遺訓(いくん)はその後、十五代まで伝えられ、平和への教訓ともなっております。

 その遺訓とは・・・

 人の一生は重荷を負(お)うて、遠き道を行くがごとし(人の一生というものは重い荷物を背負って遠い道を行くようなものだ。急いではいけない。)

 卒業生の皆さんも、楽な方に目を向けて近道しないようしっかり足元を見つめコツコツとひとつひとつこなしていってほしいと思います。

 不自由を常と思えば不足無し こころに望みおこらば困窮したる時を思い出すべし(不自由を当たり前と考えれば、不満は生じない。心に欲が起きたときには、苦しかった時を思い出すことだ。)

 贅沢は敵です。質素な生活を心がけてほしいと思います。苦しい時を思い出しながら頑張ってほしいと思います。

 堪忍は無事長久(ぶじちょうきゅう)の基、いかりは敵と思え(我慢することが無事に長く安らかでいられる基礎であり、「怒り」は敵と思いなさい。)

 我慢することが生活に安らぎを与えてくれます。怒ることは次の問題を生むこととなります。安らぎを求めてください。

 勝つことばかり知りて、負くることを知らざれば害(わざわい)その身にいたる(勝つことばかり知って、負けを知らないことは危険なことである。悪いこと、災いが自分に起こってしまうだろう。)

 負けた時の気持ちを大切にして頑張ってほしいと思います。)

 おのれを責めて人をせむるな(自分の行動について反省し、人の責任を責めてはいけません。)

 及ばざるは過ぎたるよりまされり(足りない方が、やりすぎてしまっているよりは優れています。)

 満足する少し手前が丁度良いと思います。何かに向かって頑張っている自分がそのにいることこそが、幸せであり平和なことと思います。

 これらが、七十五歳でこの世を去った家康公の教訓であり、平和な国作りへの遺訓(いくん)であります。まずは自分のごく小さな周囲の平和から、そして社会の平和へと・・・。

 皆さんのこれからの人生が平和で順風満帆(じゅんぷう まんぱん)であるよう祈っております。

 本日、みなさんが卒業式を迎えることができたのは、これまで多くの方々に支えていただいたおかげであります。家族はもちろんのこと、小学校、中学校の先生、地域の方々、そして震災当時に全国各地から岩手県を支援してくださった多くの方々への感謝の気持ちをこれからも忘れずにいてください。

 これまでのみなさんの経験は、成功も失敗も挫折も悩みもすべてかけがえのない財産です。無駄なことは一つもありません。すべての経験が糧になって、みなさんをここまで成長させきたのです。これからも自分を信じて歩み続けてください。

 結びに、皆さん一人ひとりが、ここ紫波総合高校で培われた「知を求め。心ゆたかに。たくましく。すなわち、知力。豊かな心。体力。」を基礎として、これからもあらゆることにおいて、感謝の心を持って課題に挑戦し続け、自分の夢に向かって大きく羽ばたいていくことを期待し、式辞といたします。 

平成二十九年三月一日 岩手県立紫波総合高等学校 校長  渡 邊 好 章
             
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