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夏休み明け授業始め式 校長講話 8/17 

 夏休み明け授業始め式校長講話                                                                                    H27.8.17

                              校 長  田 中 耕之助

おはようございます。また、ここで皆と元気に会えること、とても嬉しく思います。

みんなの夏休みはいかがでしたか?今年の夏は、やはり温暖化のせいなのでしょうか、暑い日々が続きました。本校では、課外・部活動をはじめ、田野畑方面への被災地見学、紫波町夏祭りやドイツからのスポーツ少年団歓迎交流などの様々なボランティア活動に加え、自転車競技部のインターハイでの活躍ととても充実した夏休みでした。大変お疲れ様でした。

さて、今日は「平和」の話をします。私は、この夏、九州鹿児島の知覧というところに行って来ました。そこには何があるかというと第2次世界大戦の末期、今から70年前、日本は戦争の劣勢をはね返すため、戦闘機に爆弾を積んで、敵の軍艦に体当たりをする「特別攻撃隊」=「特攻隊」という作戦を行いました。知覧というのは、その特攻隊の基地があった場所で、知覧以外の6つの場所からの攻撃を統括する本部も置かれていました。

特攻隊で亡くなった兵士は、1,036名と記録されていますが、その多くが、ちょうどみんなと同じ年頃の17歳から20歳台という未来のある若い将校たちでした。岩手県出身者も18名いました。朝鮮半島から日本兵として招集された人もいました。知覧や他の飛行場から飛び立って、2時間ほど飛び、沖縄近海にいる空母に体当たりするという、必ず死ぬまさに「必死隊」と言っていい攻撃でした。その殆どが命中する前に、軍艦からの攻撃で打ち落とされたと言われています。本当に無謀ともいえる攻撃です。そして、日本は飛行機が足りなくなり、最後は練習機までつかったと言われています。

特攻隊の兵士は知覧には出撃前の平均4、5日滞在するのですが、屋根だけが地上にあるような、暗いじめじめした三角兵舎と呼ばれるところで寝起きをしていました。そこで、ふるさとの家族に手紙や遺書を書いたり、同期のみんなと語り合い、過ごしたといいます。そして出撃命令が下ると、片道分の燃料と爆弾を積んで、沖縄上空に飛び立って行ったのです。その遺書や遺品の数々が知覧の記念館には展示されていました。私は二時間半ほどいましたが、ずっと涙が止まりませんでした。あまりにも悲しすぎました。そして、決して二度と戦争は起こしてはならないと心の底から思いました。

特攻隊の攻撃も空しく、日本は敗戦を迎えます。そして、第9条に「日本はもう戦争はやりません」と明記された現在の日本国憲法が制定されます。この憲法は「アメリカが考えたのだ。日本人が考えたのじゃないからダメだ」という人がいますが、私はそうは思いません。先日、お笑いの爆笑問題の太田光さんと中沢新一さんの対談をまとめた『憲法九条を世界遺産に』という本を読んで感動しました。その中でこういう記述があります。「恒久平和というのは全人類の理想で、それを日本という国を舞台にアメリカは実験しようとしたのではないか」と。そして「日本も戦争はもうこりごりだと思っていたからすんなり受け入れたのだ」と。

この人類の理想の平和憲法を日本は戦後70年間守り通してきました。地球上には今も戦争や紛争の絶えない地域もありますが、日本はずっと戦争を行わないできたのです。今の日本国憲法は、人類の理想を追求している素晴らしい憲法であると私も思います。もし、日本も戦争できる国になったら、人類の理想は消えてしまう。それではだめだと。だから「憲法9条を世界遺産に」して、大切に守ろうということなのです。

いいですか、皆さん。皆さんのこれから生きていく世界が素晴らしいものであるためには、何を守り、何を無くしていかなければならないか、今、真剣に考える必要があるのです。世界遺産の登録を進めているユネスコの憲章に「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」という言葉があります。 

世界平和への道も、個人的なレベルである「けんか」や「悪口」「いじめ」などは、真っ先に無くしてくことから始めていかねばなりません。そして、互いに認め合い、許し合い、思いやりをもって生きていくこと、それが大切なのです。そして、この世の中に、再び戦争の惨禍が起こらないよう、皆さん一人ひとりの心に平和のとりでを築き、自分の眼で観て、頭で考えて、正しく判断、行動のできる人間になって下さい。

高校生時代は、青年から社会人になる時です。いつまでも、自分のことのみにとらわれているのでなく、広く世の中に視野を広げ、自分はどう生きるべきか、未来をどうすべきか考える訓練も始めなければなりません。スマホもいいですが、新聞を読んだり、ニュースを視たり、友だちと議論したりして、世の中の課題に関心を持つことを始めて下さい。皆さんは18歳になれば選挙権があります。これをチャンスと捉え、自分たちの未来を切り拓く姿勢をもってください。誰のための人生でない、自分のための人生なのですから。

本校の今年のスローガンは「感謝の心を持って、課題への挑戦」です。「平和であることへの感謝の心を持って、世の中と自分自身の課題への挑戦」を続けていってください。

 

夏休み明けは、色々と忙しくなります。特に3年生は進路実現に向けて、いよいよ本番です。1,2年生も未だ未だ先だと甘く考えていると、後で後悔することになります。何より毎日の積み重ねが大事です。一度しかない高校生活を一日一日充実したものにしていってください。先生方もがんばります。お互いに力を合わせてしっかりがんばりましょう。終わります。

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