工業化学科 Ch(Industrial Chemistry)
 

● 工業化学科とは

 昭和12年4月に応用化学科として設置されました。その後昭和18年4月工業化学科と改称し現在に至っています。化学技術は、化学的変化によって物を作り出す分野ですから、授業内容は実践的化学技術者として必要な、専門的知識や技術の基礎・基本が中心です。
 
また、最新の化学に関した題材等も取り入れたり、コンピュータについても学習しています。
 21世紀の社会は工業化学の知識が大いに必要とされます。工業化学科ではこのようなことから、化学製品や石油化学製品、ファインセラミックス、その他の新素材等の製造や地球環境汚染防止に従事する中堅技術者の育成を目標として、その基礎と基本を学習しています。
 昨年度で、工業化学科の卒業生は2603名で各分野で活躍しています。

Ch科の実習風景~
 
プラント実習                 容量分析

 
合成実験             機器分析実習


●    工業化学科で学習する内容

< 工業化学科で3年間に学ぶ専門教科一覧 >

1年生 2年生 3年生
作業が主体の教科 工業基礎(3単位)
(実習内容)
① 基礎化学
② 容量分析③ 定性分析
④ ガラス細工
テスター製作

製図(2単位)
工業化学実習(3単位)
(実習内容)
①定性分析 
② 容量分析
③重量分析
④ 物理化学

情報技術基礎(2単位)
工業化学実習(4単位)
(実習内容)
① 機器分析
② 単位操作
③ 有機合成 
④ ワックス製造

課題研究(3単位)
授業が主体の教科 工業化学1(4単位) 工業化学1(2単位)
化学工学(3単位)
地球環境化学(2単位)
工業化学2(2単位)
化学工学(3単位)
地球環境化学(2単位)
セラミック化学(2単位)
材料製造技術(2単位)


工業化学1
 中学校で学習した理科の内容を深め、化学的現象についての原理や法則を、具体的な例によって学習します。工業化学科として、基盤となる科目で、基礎基本を学習します。

化学工学
 化学工場の構成と、収支計算の基礎、物質の取扱い、熱の取扱い、流体の取扱い、反応装置等について学習します。

地球環境化学
 環境の現状、環境保全の方法、環境汚染防止技術について、地球的視野で考えることを学習します。

セラミック化学
 セラミック材料の基礎から利用方法までの学習をします。

材料製造技術
 材料製造方法の基礎である物質の性質と、化学反応を学習します。

工業化学2
 化学工業のいくつかの部門についての基礎的な知識を学び、その内容が化学工場でどのように組み合わされ利用されているかを、現代の技術革新に対応するプロセス工業を題材として学習します。

課題研究
 自分で研究テーマを設定(見つけ出す)して、研究を行います。

工業化学実習
 2年生=定性分析(物質の成分は何か)、容量分析(ガラス器具を使用して成分の純度や含有量を求める)、重量分析(乾燥加熱操作をしながら成分の純度や含有量を求める)、物理化学(物質の物性測定)等の化学分析の実習を行います。
 3年生=高度な化学分析、各種装置類での計測、合成実習、ミニプラント(小さな製造工場)でのワックス製造を行います。

製図

 製図の基礎を身につけて、機械図面、化学工場の工程図、フローシート、熱交換器、蒸留塔等の製図技術を手描きとCAD(コンピュターでの図面描き)で行います。

情報技術基礎
 コンピュータに関する基礎的な知識を身につけ、その操作や理論を学習しながら、ワード・エクセル・パワーポイントの作成の基礎を学習します。

● 工業化学科での資格取得は・・・
 基本的には、在学中に危険物取扱者(丙種・乙種・甲種)、特定化学物質及び四アルキル鉛作業主任者、有機溶剤作業主任者 など化学の知識を使う、各種資格に挑戦させております。
 また、毒物劇物取扱責任者は工業化学科で、化学に関する専門科目30単位以上を修得すると卒業生に与えられる資格です。(高校生では、岩手県の高校では盛岡工業高校工業化学科でしか取れない資格です)
 その他ボイラー技士、情報検定、計算技術検定、漢字検定、英語検定、パソコン検定等、個々の学習力によって挑戦させています。


● 工業化学科の進路先は・・・
 地元・県内・県外の専門性を活かせる各種工業分野の製造部門・品質管理や研究室各方面の分析関係機関といった、化学的知識と技術を必要とする職場への就職、より高度な知識技術を身につける為、大学・高専・専門学校へといった道もあります。それ故、進路先は多種多様となります。物質の構造を解明し、日用品や各種工業分野における新素材等の研究開発や製造、環境問題等に携わりながら、卒業生が活躍しております。

【 県内就職 】
塩野義製薬㈱金ヶ崎工場、第一開明㈱、㈱環境テクニカ、東邦岩手㈱、EN大塚製薬㈱花巻工場、コセキ㈱、盛岡ガス工業㈱、三甲㈱、盛岡東京電波㈱、岩手農蚕㈱、東亜電化㈱、東北酸素㈱、北日本石油㈱、斎寅商店㈱、セキノ興産㈱、日本オイルターミナル(株)盛岡営業所、北上ハイテクペーパー(株)、DOWAテクノエンジ㈱、アートテックス東北(株)、日揮プロジェクトサービス(株)、(株)東北テーケーアール  他


【 県外就職 】
㈱T&K TOKA、住友化学㈱千葉工場、丸善石油化学㈱、昭和電工㈱、JSR㈱千葉工場、東京応化工業㈱、出光興産㈱、シンコール㈱、新日鐵化学(株)君津製造所、富士石油㈱、三井化学(株)市原工場、(株)東燃化学、大日本印刷㈱、出光興産(株)君津製造所、旭硝子(株)千葉工場、大日本インキ(株)、JFEスチール(株)東日本製鉄所、    他

【 進 学 】
日本大学、八戸工業大学、芝浦工業大学、関東学院大学、白鳳大学、東北工業大学、帝京大学、富士大学、青森大学、工学院大学、盛岡大学、仙台大学、函館大学、一関工業高等専門学校(4年生編入)、石巻専修大学、産業技術短期大学校、各種専門学校、 他