平成28年度
岩手県立前沢明峰支援学校 学校評価アンケート調査集計結果報告
1 調査期間 平成28年11月30日(水)~12月14日(水)
2 調査対象 本校児童生徒、保護者、職員、関係機関
※ 児童生徒は、実態を考慮し調査可能な生徒
※ 措置等されている児童生徒で配慮が必要な保護者は除く
※ 職員は、校長、産休・育休者(4名)、病休者(1名)、非常勤学校技術員(2名)を除く
※ 関係機関は近隣の3施設(たばしね学園、白梅の園、ひだまり)
3 回答状況
調 査 対 象 者 |
調査数(人) |
回答数(人) |
回答率(%) |
本 校 職 員 |
122 |
119 |
97.5 |
保 護 者 |
151 |
115 |
76.1 |
関 係 機 関 |
49 |
49 |
100 |
児 童 生 徒 |
167 |
155 |
92.8 |
全 体 合 計 |
489 |
438 |
90.0 |
4 調査項目
本年度の学校経営方針をもとに設定。
学校経営方針で期待達成度(%)が示されている項目においては、職員対象の調査結果に達成度をグラフ化し、その達成状況を評価。
5 調査方法
対象者にアンケート用紙を配付し、無記名で回答し、回収箱等へ投函。
回答方法
(1)保護者、職員、関係機関
各質問項目に対して、①「そう思う」②「だいたいそう思う」③「あまりそう思わない」④「そう思わない」⑤「わからない」の5段階から選択及び自由記述。
(2)児童生徒
各質問項目に対して、①「はい」②「いいえ」③「わからない」の3段階から選択。児童生徒の実態に応じて、学級担任による個々への聞き取りによる回答。
6 集計方法
(1)集計
集計は、調査対象者別に各集計表にまとめ、各質問項目の回答番号の合計数と回答者数の割合(%)で示しました。
(2)評価
評価は、各対象者別の集計表に評価点として4点満点の数値で示しました。
集計表の「合計(人数)」は、各段階の回答者数を、「合計(%)」には各段階の回答の割合を示し、各段階の回答者数を全体の割合(%)で示しています。
また、「評価点(4点満点)」には、①「そう思う」が4点、②「だいたいそう思う」は3点、③「あまりそう思わない」は2点、④「そう思わない」には1点を回答数に乗じ、その平均値で評価点(4点満点)を示しました。
(3)評価点
評価点は、肯定的回答ポイント数である3.0ポイントを目安にし、その数値未満の項目については改善を要すると判断し、網掛けで示しました。
また、前年度と比較して下降した項目の評価点は太字で示しました。
(4)その他
回答ができず、無回答の項目があった部分においては、各項目の集計数から除外しました。そのため、評価点や回答割合に項目ごとのばらつきが出ないよう回答割合や平均値を回答母数で除算して調整しました。
7 まとめと考察
(1)職員
ア 全体の傾向
回答率は、97.5%で昨年度に比べ0.9%降下している。
評価の傾向としては、肯定的回答ポイント数である3.0以上の項目は、11項目/22項目(昨年度15項目/22項目)と昨年度より4項目少なくなりました。
職場アンケート「学部間連携」は、2項目とも昨年より低い結果となりました。
学校経営方針で期待達成度(%)が示されている項目で達成した項目は、3項目/12項目(昨年度6項目/11項目)と昨年度より低い結果となりました。
イ 評価点が昨年度に比べ上昇した2項目(昨年度8項目)
3 児童・生徒の健康保持・増進及び安全の確保を図っている
12 保護者との連携をとっている
ウ 評価点が昨年度に比べ降下した15項目(昨年度6項目)
1 多様な教育的ニーズに対応できる教育課程の編成を行っている。または適正化を図っている
2 一貫した教育活動の実践に向けた学部間の連携をとっている
4 指導内容・方法の共有と技術向上を図っている
6 保護者の進路意識の醸成に努めている
7 卒業後の支援に努めている
8 センター的機能の充実を図っている
9 適正な就学支援がなされている
10 交流及び共同学習の推進を図っている
14 学校評価が日々の教育活動に活用されている
15 学校情報を適切に発信している
16 地域の行事や活動に参加する等の地域財産を活用している
17 被災地校交流や地域連携で防災意識の高揚や復興教育を推進している
20 コンプライアンス確立に向けた取り組みをしている
1(1)学部間の連携強化に向けた取り組みがみられた(職場アンケート)
1(2)学部間の連携に改善が見られたと感じますか(職場アンケート)
ア、イともに昨年度を大きく下回っている原因の一つは、選択肢に⑤「わからない」を追加した事が考えられる。⑤「わからない」を除き、集計すると
ア 全体の傾向
肯定的回答ポイント数である3.0以上の項目は、14項目/22項目(昨年度15項目/22項目)
職場アンケート「学部間連携」は、2項目とも昨年より低い結果
イ 評価点が昨年度に比べ上昇した8項目(昨年度8項目)
ウ 評価点が昨年度に比べ降下した6項目(昨年度6項目) と昨年とほぼ同じになる。
しかし、職場アンケート「学部間連携」だけは⑤「わからない」を除き、集計しても昨年より低い結果となる。学部間の連携の強化をする必要があると思われる。
エ 学校経営方針で期待達成度(%)未達成項目(項目番号順)
1 多様な教育的ニーズに対応できる教育課程の編成を行っている。または適正化を図っている
2 一貫した教育活動の実践に向けた学部間の連携をとっている
5 各学部における進路指導は充実している
6 保護者の進路意識の醸成に努めている
8 センター的機能の充実を図っている
13 地域・関係機関との連携を図っている
17 被災地校交流や地域連携で防災意識の高揚や復興教育を推進している
18 教職員の円滑なコミュニケーションを図っている
20 コンプライアンス確立に向けた取り組みをしている
2は、肯定的な①「そう思う」、②「だいたいそう思う」を選んだ割合が60%であり、評価点も2.5と20項目中最低となっている。この点からも学部間の連携の強化をする必要があると思われる。
(2)児童生徒
回答率は、92.8%で昨年度に比べ27.8%上昇している。
すべての項目が、肯定的回答ポイント数である3.0以上でした。昨年度と比べ評価点が降下した項目は8項目/11項目中でした。これは「わからない」と回答した割合も昨年度の9%から24%と高くなった事が原因と思われます。「わからない」の割合が高くなった原因は回答率の上昇も原因です。
(3)保護者
ア 全体の傾向
回答率は、76.1%で昨年度に比べ3.2%上昇しております。
肯定的回答ポイント数である3.0未満だったのは1項目で
1(2)家庭では、子どもの家庭生活に学校での支援方法を取り入れて実践している。
が2.9点と最低を記録しました。学校は、今以上に保護者へ生徒への支援方法をわかりやすく説明する必要があります。
昨年度と比べ上昇した項目は、7項目/18項目でした。また、降下した項目は、7項目/18項目でした。
イ 評価点が昨年度に比べ上昇した項目(項目番号順)
1(1)学校は、「個別の指導計画」に保護者の意見を十分取り入れて支援を行っている。
2(1)学校は、子どもにあいさつや言葉づかいについて日ごろから十分指導をしている。
2(2)家庭では、子どものあいさつや言葉づかいについて日ごろから注意を払っている。
3(1)学校行事の内容は、子どもが意欲的に活動でき満足できるものになっている。
6(2)家庭では、子どもの家庭での様子や心配な点などを学校に伝えている。
9(1)寄宿舎は、子どもに適切な生活支援を行っている。(舎生の保護者のみ回答)
9(2)家庭では、寄宿舎での子どもの生活に関心をもっている。(舎生の保護者のみ回答)
の7項目です。
保護者の自由記述にも、「小さなことにでも真剣に耳を傾けて下さる先生方に心より感謝しております。」(高保)など、感謝の気持ちが記述されています。
PTA地区活動に職員が積極的に参加したことや、寄宿舎での指導・支援が評価されたものと思います。
ウ 評価点が昨年度に比べ降下した項目(項目番号順)
1(2)家庭では、子どもの家庭生活に学校での支援方法を取り入れて実践している。
4(1)子どもの進級や進学に際して、心身や学習・生活の状況が担任間で引き継がれている。
4(2)家庭では、子どもの進級や進学に際して、新しい担任と十分に情報交換をしている。
5(1)学校は、子どもの高等部卒業後の進路を視野に入れた支援を行っている。
5(2)家庭では、子どもの高等部卒業後の進路についてよく話し合っている。
6(1)学校は、家庭からの連絡や相談に誠意をもって対応している。
8(2)家庭では、PTA行事や地域交流に関心をもち、参加しようと心がけている。
の7項目です。
4(1)子どもの進級や進学に際して、心身や学習・生活の状況が担任間で引き継がれている。
この項目は、肯定的な①「そう思う」、②「だいたいそう思う」を選んだ割合が89%と高い評価をいただいているが、今後は①「そう思う」の割合を高める努力が必要です。
1(2)家庭では、子どもの家庭生活に学校での支援方法を取り入れて実践している。
この項目は、調査項目の中で2.9と最も低く、2年連続降下しております。家庭で学校での支援方法を取り入れていただけるように、わかりやすい表現を意識していくことが必要です。
4(1)は、保護者の自由記述にも、「中学部から高等部へ進学したときにそう思いました。中学部と高等部の先生の対応に違いが大きいと感じました。」(高保)など、学部間のよりよい連携を求める記述がありました。学部間の連携は、職員アンケートでも改善が必要とされていますので、改善に取り組む必要があります。
本校のキーワードである「つなぐ」を意識して、今後も情報を共有し、児童生徒へのよりよい指導や支援を考えて取り組んでいくことが必要です。
エ 保護者自由記述欄
自由記述には、21人の方からさまざまな評価やご意見をいただきました。
・ 指導・支援に対する感謝の気持ちなど 10人
・ 職員の対応等について 5人
・ 進路指導に関すること 3人
・ その他 3人
職員の対応等については、担任とコミュニケーションがとれない、連絡が遅いなどの記述がありました。保護者の方や関係機関の方が、気軽に職員に声をかけることができる雰囲気作りが求められています。また、寄宿舎生や学園生の保護者にも余裕をもって連絡が届くように改善・工夫する必要があります。
進路指導については、本校では高等部のみに限らず、小学部や中学部からにおいても高等部卒 業後の将来を見据えた系統的な支援教育を行っています。今回いただいた意見を参考に、さらに充実した進路指導に努めていきます。
(4)関係機関
ア 全体の傾向
回答率は、100%です。今年度からひだまり6事業所にも回答していただいております。
すべての項目が、肯定的回答ポイント数である3.0以上で高い評価をいただきました。しかし、昨年度と比べ上昇した項目はなく、降下した項目は、6項目/7項目でした。
イ 評価点が昨年度に比べ降下した項目(項目番号順)
1(1)学校は、関係機関の連絡や相談に丁寧に対応していますか。
1(2)学校は、関係機関や地域と連携して教育活動を進めていますか。
1(3)学校は、関係機関の意見や要望に応じた教育活動をしていますか。
2(2)学校では健康や安全に対して適切な指導を行っていますか。
3(1)学校は、教育内容などの理解促進のため努めていますか。
3(2)学校では、ホームページをはじめ情報発信をしていますか。
6項目とも、連携の仕方などを工夫・改善して、よりよい連携を築くことが必要です。