本日ここにご来賓各位並びに保護者の皆様方のご臨席のもと、平成23年度岩手県立黒沢尻北高等学校入学式を挙行できますことは、この上ない喜びとするところであります。とりわけ、去る3月11日に発生しました東日本大震災に思いをいたすと深い悲しみの念を禁じえませんが、本校にあっては、例年より1週間遅れとはいえ、関係の皆様のご理解とご協力を賜り、無事この日を迎えることができましたことに対しまして心から感謝申し上げます。
式辞の冒頭にあたり、今回の大震災により尊い命を失われた数多くの皆様に対しまして深い哀悼の意を捧げますとともに、被災者の皆様に対しましても心からお見舞い申し上げます。
さて、ただ今、入学を許可いたしました246名の新入生の皆さん、入学おめでとう。
また、保護者の皆様には、お子様の晴れやかな姿に、お喜びもいかばかりかと拝察し、心からお祝いを申し上げます。
本校は、1924年(大正13年)、盛岡中学、一関中学、福岡中学、遠野中学に次ぐ県内5番目の県立中学、黒沢尻中学校として開学し、以来80有余年の歴史を誇る伝統校であります。本校の開学に際して、
「体ヲ練リ気ヲ養ヒ以テ遠大ノ心ヲ励マスヘシ」
(たいをねり きをやしない もって えんだいのこころざしをはげますべし)に始まり、
「紀ニ循ヒ律ニ依リ以テ公共ノ義ヲ立ツヘシ」
(きにしたがい りつにより もって こうきょうのぎをたつべし)
に至る5つの校訓が示されました。黒陵50年史には、「からだを鍛え、大志を抱いて、真面目に勉強し、質素誠実を旨としてみんなと仲よくし、公共のために大いに尽くせ」とその要旨が記されています。この校訓は、制定以来、本校の精神的源流として今日まで脈々と受け継がれておりますが、その校訓に込められた意味は、時空を超え、現代においてもまったく色褪せることのない真理であり、いつの時代にあっても本校に学ぶ者として常に心に留めておかなければなりません。
近年にあっては、本校第31代校長である上原耕太郎前校長が、その校訓を踏まえて、
故郷(ふるさと)そして母国復興の担い手となるべき黒陵の若人たる新入生諸君に告ぐ、
保護者の皆様、お子様をいま本校の生徒としてお引き受けいたしました。皆様のご期待に添いますよう教職員一同英知の限りを尽くし、知育・徳育・体育に努めます。ご家庭におかれましても、一層のご指導とご協力をお願いいたします。
結びに、新入生の皆さんに、時代を遡ること50年前の1961年、ジョン・F・ケネディーアメリカ合衆国第35代大統領の就任演説の一部を紹介します。
“My fellow Americans: ask not what your country can do for you-ask what you can do for your country.” “My fellow citizens of the world: ask not what Americans will do for you, but what together we can do for the freedom of man.”「アメリカ国家が、アメリカ国民が、あなたのために何ができるかを問うのではなく、あなたがアメリカ国家のために、人類の自由のために何ができるのか問いなさい。」と国民に語りかけています。
“My fellow friends: ask not what Iwate and Japan will do for you, but what together we can do for the future of Iwate, Japan and the world.”「岩手そして日本があなたのために何をしてくれるのかを問うのではなく、私たちがともに岩手、日本そして世界のために何ができるのか問いなさい。」
新入生諸君、岩手、日本そして世界の未来を築くのは皆さんです。来るべき時に備えて、黒陵での高校時代に、文武両道に挑戦し、心身ともに健康な体を養い、人格を陶冶し、強く逞しく成長してくれることを期待し、式辞とします。
平成23年4月13日
岩手県立黒沢尻北高等学校長 川上圭一