《会長のご挨拶》
岩手県立浄法寺高等学校 同窓会長 三浦 利章
我等は旅人である。
この世に生を受け、土に返るまで、永遠の時の一部を旅する。
最近観た映画で何故か心に残っている言葉でありますが、我が浄法寺高校でも、時の一部が、今終わりを迎えようとし、又新たな時の一部が始まろうとしています。
我が校は、昭和二十三年に福岡高校定時制分校として浄法寺中学校の隣接地に校舎を構え、当時は戦後の復興期で混乱のなか、働きながら四年間学ぶという定時制で、学習環境も恵まれない中、唯一、地元で高等教育を受けることが出来る分校として、スタートしました。その後、生徒数の減少により、廃校の危機を幾度となく乗り越え、昭和四十九年度の第二十四回定時制卒業生と、同じく昭和四十九年度、第一回全日制卒業生まで、二十七年間、向学心に燃えた先輩諸氏を、社会へと送りだしました。そして、普通科高校を望む先輩諸氏、町民の熱意により、昭和五十年四月に浄法寺高校普通科として産声を上げて以来、今年度の第三十三回卒業生まで、通算で六十年という時を刻み、今年三月末をもって、浄法寺高校の校旗を降納いたします。そして、四月から新たに、福岡高校浄法寺校として、分校の形で存続していくこととなっております。存続を望む地域の要望が県に通じ、分校化となりましたが、今後、教員数の減少、分校存続の条件をクリアしていかなければならない等、教育環境が一層厳しくなる予想ではありますが、地域が必要としている限り、今後も同窓会として会員皆様と共に福岡高校浄法寺校を支援し、在校生諸君の掲げるスローガン「感謝と発展」分校となっても浄高に感謝し、自分たちの手で発展させていくという思いの一助となるよう努力してまいります。
浄法寺高校として最後の卒業生となる今年度の卒業生諸君は、少子化という時の流れにさらされながらも、翻弄されることなく、充実した高校生活を過ごされ、目標に向け旅立とうとしている姿は、最後の卒業生として、実に立派で、同じ卒業生の一人として誇りに思います。浄法寺高校卒業生として誇りをもち、新たな時の旅を有意義な旅とするよう祈念します。