〜いつもお世話になっている千厩小学校からの声をお伝えします〜
第3回 |
|
千厩小学校校長 菅原 一先生 |
1 はじめに 「地域で学び、地域で育つ」を基本理念として、平成19年4月一関養護学校(当時)の千厩分教室が千厩小学校に開設されました。 同年8月には、公募により「ハピきら」学級と名付けられました。
この愛称にこめられた願いは、
「幸せに輝いてほしい」
「千厩の地できらきら輝いてほしい」
です。
分教室と共に歩んできた5年間、千厩小学校児童と「ハピきら学級」児童の自然な交流がなされ、共に学び、共に育つ教育環境が醸成されてきました。
これは、開設時からの諸先生方の熱意と創意の賜であり、敬意と感謝を申し上げます。
6年目を迎えた今、基本理念である、「地域で学び、地域で育つ」姿が、「まほろばの丘」に更に満ちあふれるよう努めていきたいと考えております。
2 本校と分教室の概要(平成24年度) (1) 千厩小学校
・ 児童数 354名
・ 通常学級 12学級
・ 特別支援学級 2学級(知的1、情緒1)
・ ことばの教室 2教室
・ 職員数 27人 (常勤25名 非常勤2名)
(2)一関清明支援学校千厩分教室
・ 児童数 14名
・ 学級数 2学級
・ 職員数 9名
※ 参考 開設当時は、児童数5名 職員3名であった。
3 具体的に取り組んでいること (1) 会議の開催
@ 合同会議
期日 年度始め
対象 全職員
内容 児童理解に関わる情報交換交流・共同学習の計画の確認
A 連携会議
期日 概ね2ケ月に1回
対象 小学校 校長 副校長 教務主任
分教室 校長 副校長 分教室主任
内容 連携の方向性の確認
B 実務担当者会議
期日 毎月1回
対象 教務主任、分教室主任及び担当者
内容 諸行事における交流、共同学習の具体的計画の協議
C 担任同士の連絡会
期日 随時
対象 該当学級担任
内容 諸行事における具体的連携について
(修学旅行、遠足、運動会の競技等)
D その他
会議とは別に、職員間の情報交換の場として、運動会の慰労会や歓迎会を合同で行って
いる。
(2) 交流学習・合同学習の実際
@ 基本的な考え方
・ 同年代の子どもから学ぶ
・ 障がいを理解し、 支え合う
A 合同で行う行事
入学式、始業式、運動会、修学旅行、グリーンキャンプ、遠足、学習発表会 終業式、
修了式、卒業式、避難訓練、六年生を送る会等
B 授業等での交流
生活科、体育、音楽、図工。全校朝会、音楽朝会、給食など
C 千厩小あおぞら学級(特別支援学級)との交流学習、体験学習
D 日常的な交流
業間休み、昼休み等
4 歩みを振り返ってみて (成果) (1) 本校の児童にとって @ 分教室の子どもたちとの学校生活が当たり前になってきており、自然な交流ができている
ととらえています。A 日常的に接することにより、障がいについて理解することができ、思いやりのある行動が
みられるようになりました。(2) 本校の職員にとって @ 特別支援学校の教育について、間近で接することができ、特別支援教育についての理解
が深め られてきました。A 障がいに応じたきめ細かな指導の実際に触れることにより、通常学級の指導法の改善に
役立っています。(3) 本校の保護者にとって 運動会、学習発表会の演技を参観したり、各種行事における交流の様子を参観したりすることにより、障がいのある児童に対する理解が深められています。また、保護者のみならず、地域の方々にも分教室について理解が深められてきたと捉えています。 5 おわりに 平成23年7月に成立した障害者基本法の一部改正には、「共生社会の実現」「インクルーシブ」な教育システムの実現が掲げられています。本校と「ハピきら学級」の交流は、そのような理念の社会を築くささやかな取り組みにつながっていると確信します。
これからも、共に学び、共に育つ教育を求め、分教室と共に歩む学校経営に努めていきたいと考えております。