〜いつもお世話になっている千厩小学校からの声をお伝えします〜
第2回 |
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千厩小学校校長 三浦哲朗先生 |
1 はじめに 今日も校舎いっぱいに本校と分教室の子どもたちの明るく元気な声が響いている。本校には、平成19年4月から一関清明支援学校の分教室が、開室された。
小学校の中に、分教室を設けるという県としてもまったく初めてのことで、マニュアルがない中でのスタートであり、本校に課せられた任務・使命は、大きいと自覚しながら臨んで来た。
同じ屋根の下で生活する子どもたち、そして職員。
「とにかくやってみよう。やりながら考えよう」の気持ちを双方の職員で確認し合いながら今日まで至っている。
2 本校と分教室の概要(平成22年度) ○学校の規模は次の通りである。
・全校児童 391名
・普通学級 14学級 ・特別支援学級 2学級(知的1、情緒1) ・ことばの教室 2教室
・職員数26名
○一関清明支援学校千厩分教室の概要
・児童数14名(1年2名、2年3名、3年3名、4年4名、6年2名)
・学級数6学級 ・職員数9名
※19年開設時、児童数は5名だったが、現在14名・2教室になっている。
3 具体的に取り組んでいること 双方の連絡会を定期的に開くことを確認し合って進めてきている。
・毎月教務主任と分教室の主任との打ち合わせを行い、二ヶ月に1回は管理職も加わり、一緒に協議・確認・情報交換等を行っている。
【具体的な交流・共同学習】
(1)合同で行う行事
入学式、始業式、運動会、修学旅行、遠足、すもう大会、学習発表会、修了式、卒業式、避難訓練、6年生を送る会等
(2)授業等での交流
生活科、体育、音楽、図工、全校朝会、音楽朝会、給食等
(3)日常的な交流
休み時間、昼休み等
このほか、千厩小あおぞら学級(特別支援学級)との交流学習、体験学習も行い、職員間では歓迎会、各種行事の慰労会、職員旅行も一緒に実施している。
4 歩みを振り返ってみて これまでの歩みから、次のようなことが感じられる。
(1)分教室との子どもたちとの学校生活が当たり前になってきており、自然な交流ができている。
(2)互いに暮らし、理解することにより思いやりの心を持つようになってきている。
(3)共に子どもたちの意識が変わってきている。
(4)分教室の子どもたちは、社会的な経験を広め、大きな成長が見られる。
(5)地域の方々に行事等でかなり理解され、分教室の存在がごく自然になってきている。
また、双方の学校の先生にとっても、次のような得る物があった。
〈小学校の先生にとって〉
・障がいのある子どもの教育への理解が深まる。
・一人一人の子どもの個性などの違いを一層認識できるようになる。
・一人一人によりきめ細かい指導ができるようになる。
・一人一人の子どもの人格や人間的側面がよりよく見えるようになる。
〈特別支援学校の先生にとって〉
・障がいのない子どもの教育への理解が深まる。
・障がいのない子どもの発達、成長の様子をより理解できる。
・教科の指導方法などについて理解が深まる。
5 おわりに このように自分の生まれ育った地域で共に学び、育つことは共生社会という理念の社会を築くことになることを、強く肌で感じた次第である。
マニュアルのない中でのスタートであったが、このような形で分教室との連携を深めている。
平成22年6月