本校第17代校長 遠 藤 寿 明


本校は、昭和48年(1973年)4月、岩手県内初の特別支援学校知的障がい教育校として開校しました。当時は「岩手県立花巻養護学校」の名称でしたが、以来45年間、数々の変遷を経て、現在では小学部・中学部・高等部に加え、北上分教室、遠野分教室、北上みなみ分教室も開設し、児童生徒数は200名、教職員は150名を優に超えました。

本校のある花巻市は宮沢賢治生誕の地、高村光太郎が晩年を過ごした地として、さらには新渡戸稲造ゆかりの地としても広く知られています。また、岩手県を代表する秀麗岩手山、早池峰山、奥羽山脈、そして四季折々の自然などにも恵まれ、児童生徒は校訓にあるように「明るく、強く、たくましく」日々の学校生活を送っています。

さて今の教育界、日本の社会は、もやもやした閉塞感に覆われているような気がします。またインクルーシブの時代であると言われますが、現状を見ると共生社会の実現にはまだかなり時間が掛かりそうです。しかし考えてみると、共生社会とは誰かが作ってくれるものではありません。我々が自ら立ち上がらなければ社会は変わっていかないのです。ジョン・F・ケネディは1961年アメリカ合衆国大統領に就任した際、次のような演説を行いました。それは国があなたのために何をしてくれるのかを問うのではなく、あなたが国のために何ができるかを問うてほしい」というものです。この素晴らしい精神を踏襲し、今年度は全員参加型の学校経営を目指しています。

そもそも教育とは「子どもに始まり子どもに終わる」ものです。したがって、個人的には以前から「子ども中心」「本人主体」という強い信念がありますが、学校の本来性、教育の本質を見失うことなく、教育の筋を通し真っ直ぐに進むためには、何より基本理念が重要であると考えました。そこで、今年度から新たに教育理念「生きがいのある豊かな生活の実現〜さわやかな挑戦〜」を掲げることにいたします。さらに、現在の教育目標に代わり「仲間とともに、今を主体的に」を学校目標としました。この目標は、新学習指導要領の柱である「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」、それに加えて、特別支援教育の目標「自立と共生」との関連性(仲間と共に=共生、今を主体的に=自立)を持ち合わせています。つまり「自立と共生」を日々の授業、学校生活に落とし込んだものなのです。また共生社会を想定すれば、当然ながら保護者も教職員もその構成員であることから、子ども・保護者・教職員みんなの共通目標にしたいという願いを込めて「学校目標」としました。本校が目指すべきは、保護者や地域をも巻き込んだ「チーム花清」の育成です。

具体的には「今日に満足し、明日に期待する学校生活」「生きがい・やりがい・手応え、活気のある楽しい学校」「保護者・地域に信頼される学校」というイメージを持っています。

私のモットー、最も大切にしている価値基準は「正しいより楽しいが大事」…。ここが重要なポイント。みんなが入学して良かった、勤務できて良かったと思える学校を目指しているのです。私自身、甚だ微力ではありますが、子どもたち・保護者・教職員のために精一杯取り組んでまいりますので、この一年間どうぞよろしくお願いします。