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校長挨拶                                               軍 司   悟

 本校は明治40年に開校いたしました稗貫郡蚕業講習所に源を発しております。その後、大正8年に稗貫郡立農蚕講習所、大正10年に稗貫農学校と改称されました。その年の12月には宮澤賢治先生が赴任しております。大正12年に県立に移管され岩手県立花巻農学校と改称されました。賢治先生は大正15年3月に退職されるまで、4年4ヶ月もの間本校の前身である花巻農学校で教鞭をとられました。

 以来90年にも及ぶ長きに渡り、賢治先生の教えは脈々と受け継がれ、色あせるどころかますます輝きを増しています。また、賢治先生の作詞による「花巻農学校精神歌」は本校校歌とともに歌い継がれ、本校関係者にはもちろんのこと広く多くの人々に親しまれてきました。2011年10月29日、NHKBSプレミアムで放送された、「宮澤賢治の音楽会~3.11との協奏曲~」という番組の中で、歌手の一青窈さんが熱唱している様子がユーチューブで公開されているようです。先生の愛農・愛農民精神は、「農に学び 農で育ち 農で生きる」という校是として、本校で実践している「愛と慈しみの農業教育」の根幹となっています。

本校キャンパス内にある「賢治先生の家」は、先生が退職してから、旧根子村桜の地(現在の桜町)で自炊をしながら独居生活を始めた家です。「羅須地人協会」を設立し、そこで農耕指導や創作活動をされました。「雨ニモマケズ」の詩碑が建立された時に、「賢治先生の家」は旧宮野目村にお住まいの方に譲渡されましたが、本校が若葉町から移転新築を検討していたまさにその予定敷地内に、ほぼ当時のまま現存していたことが分かりました。二度の移設を経て現在の場所に復元されました。全国からの多くの賢治ファンが訪れ、先生の思いや教えを肌で感じる聖地となっております。築100年を超えているものの、当時の息吹を彷彿とさせるその佇まいは、本校の象徴的な存在であり、生徒の心の支えとなっております。そして、同窓の方々の誇りであり、精神的な拠り所となっております。

本校は、生物科学科、環境科学科、食農科学科の三つの学科を設置しています。
 生物科学科では、花や果樹、野菜の栽培、動物の飼育、バイオテクノロジー等を中心に、安全な生物生産について学び、自然の中で豊かな能力と個性を磨きます。
 環境科学科では、土木や造園技術から環境保全と保護について学び、人と自然、環境が調和する豊かな生活を創造し、確かな技術を育みます。
 食農科学科では、健康で安全な食料・食品を追求しながら、食文化について学び、良質な食品製造や食品開発を通して食の心を育みます。

昨年度、本校ではそれぞれの学科の特色を活かした復興支援活動が盛んに行われました。

生物科学科では、8月に「銀河の花プロジェクト」と銘打って、メッセージボードを添えたベコニアの寄せ植えプランターを大槌町の仮設住宅7ヵ所にお届けしました。その活動に触発された生産コースの生徒たちは、リンゴに「絆」の文字を入れた「絆リンゴ」を生産し、12月に花巻空港ロビーの一角をお借りして開設した「羅須プラザ」でのお客様方にプレゼントしました。環境科学科では、新年の福を呼び込む正月用門松を本校校舎と花巻駅の玄関口に設置した他にも、今年度は宮古市役所、大槌町役場に出向き、現地で制作し寄贈してきました。被災地域への寄贈は今年で3年目になります。食農科学科では、3年越しで開発を続けてきた「さんまーぐ」をほぼ商品化にこぎつけました。本県沿岸の主力魚介類であるサンマを原料にしており、間接的ではありますが被災地支援につながることを願って開発してきたものです。11月に大槌町の仮設住宅集会所で開催された「出張ミニ文化祭」にお出でいただいた方々に、商品化の目処がついたことをお伝えし、試食していただきました。また、1月下旬には大槌町内全小中学校の給食メニューの一つとして採用していただきました。季節の節目、節目に内陸部の高校生が震災を忘れていないことと、応援の気持ちを発信することができました。

 平成26年4月からは新築された木造校舎で1,2年生が学んでいます。木の香り漂う農業高校らしい学舎です。本校舎の大規模改修工事は平成27年2月末に完成し、3年生がそこで学びます。平成29年度には創立110周年の記念事業を予定しております。

 最後になりましたが、本校の教育活動に対する御理解と御協力、そしてこれまでと変わらぬ御支援をお願い申し上げ、ご挨拶と致します。


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